ヤクルト・高津臣吾監督(56)が今季限りで退任することが1日までに分かった。球団から来季の再契約について「優勝が条件」と厳命されていたが、V逸が決定し果たせなかった。
現役時代に日米通算313セーブをマークしたレジェンドクローザーが現場の指揮から退くこととなった。高津監督は2軍監督を経て20年から現職に就いた。1年目こそ最下位に終わるも、21年には01年以来20年ぶりの日本一を達成し、22年にはリーグ連覇に導いた。過去の実績から、6年目の今季も指揮を託されたが、村上ら主力に故障者が相次ぐ不運も重なり、優勝争いから早々に離脱。8月31日の広島戦(神宮)に勝利するも、首位・阪神も勝利したためV逸が決定。続投条件がクリアできなかった。球団幹部は「(続投させる)理由が見つからない。ファンが納得しないだろう」と今季限りでの退任を明かした。
後任には池山2軍監督が内部昇格することが最有力となった。
また、小川GMが今年で契約満了となり、退任することが判明した。新しいGMには青木GM特別補佐が昇格する見込みとなった。昨季まで現役として2度のシーズン200安打を達成するなど日米通算2730安打をマーク。数々の記録と記憶を残してきたミスター・スワローズは引退会見で、将来的に指導者の道を目指す姿勢を示していたが、チーム再建のための第一歩としてフロント業を選んだ。「もともと興味があったというのが一番ですし、違った角度から野球を見ることもすごく大切なんじゃないかなと思いました」と理由を説明していた。
「この立場になった以上は、チームの勝ちを優先的に考える必要がある。そのために、どういうふうに球団としてアプローチしていくか」との覚悟を持ち、今季はファームの選手育成や今秋ドラフト候補の視察、他球団の戦力分析など多角的な視点に立ち、チーム強化のために汗を流している。メジャー経験も豊富で、国内外含めたパイプ強化も期待される。
来季に向けて新GMが中心となって組閣やスカウト部門などの組織再編を含め、チームの立て直しを図ることになりそうだ。6年続いた「高津&小川体制」が終わり、ヤクルトは大きな変革期を迎えようとしている。
◆青木 宣親(あおき・のりちか)1982年1月5日、宮崎県出身。43歳。日向、早大を経て2003年ドラフト4巡目でヤクルト入団。05、10年に年間200安打。11年オフ、ポスティングシステムでメジャー移籍。米7球団を経て18年ヤクルト復帰。24年限りで引退。NPB通算1724試合で打率3割1分3厘、145本塁打、667打点。MLB通算759試合で打率2割8分5厘、33本塁打、219打点。右投左打。
◆池山 隆寛(いけやま・たかひろ)1965年12月17日、兵庫県生まれ。59歳。市尼崎から83年ドラフト2位でヤクルト入り。88年から5年連続で30本塁打以上。2002年に現役引退。通算1784試合で打率2割6分2厘、304本塁打、898打点、1440三振。右投右打。