巨人の阿部慎之助監督(46)が1日、スポーツ報知の取材に応じ、9月の戦いについて語った。借金3で首位・阪神と16差のリーグ2位。

5位・中日と3差と厳しい状況だが、残り23試合となった9、10月に勝ち切ることにこだわった一戦必勝のスタイルで「大型連勝」につなげていく。キーマンとして野手は丸、岡本、吉川、投手は山崎と戸郷とチームの大黒柱を指名。若手には「ガツガツしてほしい」と背中を押し、昨年届かなかった日本一、10月のポストシーズンに向けて、地固めをする。

 甲子園での悔しい逆転負けから一夜明け、月が替わった。8月は12勝14敗。首位・阪神とは16ゲーム差で優勝マジックは7まで減らしている。リーグ連覇は極めて厳しい状況だ。気持ち新たに勝負の9月でもう一度、勝ち続けられるチームへと変ぼうさせる。

 「もう勝つしかない。大型連勝を狙っていく。選手たちがどういうモチベーションでできるかだよね」

 今季の最大連勝は「5」。8月26日からマツダで広島に3連敗。

29日からの甲子園での阪神3連戦は全て1点差で1勝2敗だった。乗り切れない今季を象徴するように勝負どころでの守備のミス、走塁の詰めの甘さ、進塁打や確実に1点取りたい場面のチーム打撃、好機でのあと一本などの課題が結果に直結した。9月は細かい部分を突き詰め、勝ち切る力、地力を高めていく。

 「このチームは伸びしろしかない。潜在能力はある。こちらがそれを引き出せるようにやっていきたい」

 中山や浅野ら若手も1軍で貴重な経験を積む中で、一つでも上の順位、その先のポストシーズンも見据えて選手の背中を押していく。

 「日本一のチャンスがある限り最後まで諦めちゃいけない。若い選手は緊迫してくる中で結果を出さないといけない、と思ってやるだろうし、そこで結果を出す難しさも感じながらやることで成長できると思う。本能的に、動物的に。ガツガツいってほしいね」

 5月にトレードで加入したリチャードがスタメンに定着。後半戦は31試合中、30試合で先発出場し、その間に5本塁打を放って持ち味の長打力を発揮している。

 「書いてるからね。

丸みたいに毎打席メモ書いてやってみなっていう話をして。忘れないように打席が終わったらすぐ書く。どういう状況で、何を狙って打席に入って、どう攻められたのか。絶対に財産になるからって言って」

 8月16日に岡本が左肘じん帯損傷から3か月ぶりに1軍復帰。同22日には吉川が腰痛から3週間ぶりに復帰して今季初めて丸、岡本、吉川が1軍にそろった。この3人を野手のシーズン終盤のキーマンに指名した。

 「やっぱり経験値が大きいし中心選手だから。投手では伊織と戸郷だね」

 いずれもチームの大黒柱と言える5人の奮起を期待した。8月30日の阪神戦では、初回から相手に重圧をかけるために岡本を7年ぶりの3番に入れ、岸田を4番に起用した。柔軟に組む打線が機能し、山崎と戸郷を中心とした投手陣とかみ合えば勢いがつく。

 「もう五分でいいとか言ってる場合じゃない。貯金は絶対条件。

何個増やせるか。全員で食らいついてやっていく」

 この日は大阪で休養日。2日のヤクルト戦(京セラD)に向けて準備した。今週は大阪、岐阜、名古屋でヤクルト、中日と6連戦。全て勝つつもりで挑む。10月、オクトーバーの短期決戦も見据えながら、チーム力を高めるセプテンバーにする。(片岡 優帆)

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