社会人野球の焼津マリーンズは1日、焼津市内で行われた壮行会に参加。チームは、13日から愛媛で開幕する全日本クラブ野球選手権に2年連続で出場する。
約170人の後援会員らが壮行会に集まり、戸崎秀伸監督は「昨年の悔しい負けは、全国で返すしかない。まずは目の前の1勝ですが、目指すはテッペン(頂点)です」と力強く語った。
チームは昨年、2018年の創立以来初となる同大会出場を果たした。1回戦では優勝経験を持つ強豪・全府中野球倶楽部(東京)と対戦。1点リードの9回にサヨナラ打を浴び、3―4で惜敗。この敗戦が、チームをより成長させた。
エースは、最速144キロの180センチ右腕・山本翔希投手。柳下陸ら若手投手の安定感も増している。投手陣を支えるのが焼津市出身の戸崎慶捕手。東海大相模(神奈川)で2015年、夏の甲子園を制したメンバーの1人だ。
攻撃陣では、入社3年目の西村竜馬遊撃手が1番打者として切り込み役を担う。
全国大会で敗れた悔しさを知る選手たち。昨年の試合で先発して9回途中まで投げたが、勝ち越しのピンチで交代した山本は「負けたのは、自分のせいと思ってきた。(昨年は)初出場で気持ちがソワソワしてしまっていた。今年は最後まで投げきるということを考えてレベルアップを図ってきた」と力を込めた。
勝ちきることによりこだわり、今年7月の東海地区2次予選では1、2回戦でサヨナラ勝ちを収め、決勝ではBASEBALL ONE BLITZ(愛知)を8―4で下した。6月の都市対抗東海地区2次予選では、第3代表決定戦トーナメント1回戦でジェイプロジェクト(愛知)に5―4で勝利し、同予選での初白星を記録。着実に力をつけていた。
焼津マリーンズは2018年に、人材の確保と野球を続けたい若者たちの受け皿を目的に設立された。「複合企業型クラブ」として地元企業が選手を雇用。現在は27人の選手が建設、物流、食品、メーカーなど計5社に分かれ、勤務しながらプレーを続ける。