◆第96回都市対抗野球大会▽1回戦 日本製鉄鹿島5x―4JR北海道クラブ=延長10回タイブレーク=(2日・東京ドーム)
5年ぶり17度目の出場のJR北海道クラブ(札幌市)は延長10回タイブレークの末、日本製鉄鹿島(鹿島市)に4―5でサヨナラ負けを喫した。2016年以来9年ぶりの1勝はならなかったが、先発した195センチ右腕・内沢航大(27)は5回4安打6奪三振1失点と好投。
140キロ台の直球に、フォークボールなどの変化球を織り交ぜた内沢が、抜群の安定感を見せた。5回には3連打で1失点を許したものの、乙須正太監督(42)の「ストライク先行で打たせて取れるのは内沢」という期待には応えた。できれば完投したいところだったが、本人は「もっと投げられたかもしれないけど、5回からはだんだん球が浮いて来た。(交代は)いいタイミングだったと思う」と納得していた。
八戸工大一高(青森)から法大を経て、北海道の社会人名門クラブへ。ふだんはJR札幌駅の駅員として、利用客の案内や精算業務などで忙しい。それでも「シーズン中はけっこう練習させてもらっています」。プロ入りの夢はかなわなかったが、大好きな野球が続けられる幸せを日々かみしめている。
勝てば北海道勢101勝目となる一戦を落とした悔しさは残るが、気持ちは10月開幕の日本選手権へ向けての道予選へと切り替えている。「そこで全力で勝てるようにしていきたい」。東京ドームのマウンドに立った経験は無駄にしないつもりだ。
(甲斐 毅彦)