侍ジャパンU―18壮行試合 高校日本代表4―3沖縄県高校選抜(2日・セルラー那覇)

 第32回U―18W杯(5~14日・沖縄)で連覇を目指す高校日本代表が、沖縄県高校選抜との壮行試合に臨んだ。日本代表の先発は今夏の甲子園を制した沖縄尚学の150キロ左腕・末吉良丞(りょうすけ、2年)、沖縄選抜の先発は同僚の146キロ右腕・新垣有絃(ゆいと、2年)が務め、1万7969人と超満員の観衆が“甲子園V腕対決”に酔いしれた。

試合は1時間18分の雨天中断を経て、7回制に変更され、高校日本代表が4―3で勝利した。

 不思議な感覚だった。末吉の18・44メートル先には、沖縄尚学の先輩・比嘉大登(3年)がいた。初回1死二塁。1ボール2ストライクに追い込み、スプリットで空振り三振に斬った。続く4番は同じく沖尚の先輩、バッテリーを組んだ宜野座恵夢(えいむ、3年)だ。3球勝負。142キロの直球を外角に決め、空振り三振を奪った。夢の同門対決に超満員のセルラーが沸いた。

 「一番楽しめて投げられた。自分の投球を集大成として、見せることができた」。指笛が鳴り響く興奮の中で行われた、盟友・新垣有との投げ合い。

この日最速143キロの直球で押し、スプリットを沈めた。2回を3安打無失点、4K。気迫の30球だった。視察した巨人・水野編成本部長代理スカウト担当は「来年は大注目の投手になってくる」と称賛した。

 2年生で唯一の代表選出。「先輩の方たちがみんな優しくて、なじめていると思います」。横浜のプロ注目左腕・奥村頼人からは「前で腕を強く振ろうとしている意識がある。後ろを大きくして、しなりを使って投げると、8割程度の力でも球がいくよ」と助言を受けた。「意識して投げていきたい」と瞳を輝かせた。

 新垣有も2回1/3を5安打2失点。高校侍に堂々と立ち向かい「楽しかったです」と声を弾ませた。「本戦へ上げていくことで、世界に通用するかなと思う」と末吉。

琉球の声援を全身で浴び、世界一を奪う覚悟は固まった。(加藤 弘士)

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