◆JERA セ・リーグ 巨人1―12ヤクルト=8回裏降雨コールド=(4日・岐阜)

 巨人が今季ワーストだらけの大敗を喫した。ヤクルトの主砲・村上に、先発の又木が2ラン、2番手の泉が満塁本塁打を浴びるなど、今季ワースト17被安打で同ワーストタイ12失点。

4回の1イニング7失点も今季最多タイだった。試合終盤には増田大輝内野手(32)がブルペンで投球練習。8回途中雨天コールドで登板は実現しなかったが、野手を登板させざるを得ないほど屈辱的な惨敗で、3位・DeNAに1・5ゲーム差に迫られた。

完膚なきまでに打ち込まれた。試合終了直前を含めて3度の中断があった悪天候の中、今季ワースト17安打を浴び、同ワーストタイ12失点での降雨コールド負け。8回の攻撃中は、20年8月6日にも登板していた野手の増田大がブルペンで投球練習をするほどの屈辱的な試合となった。連勝は2でストップ。阿部監督は1万5975人が集まった岐阜のG党へ頭を下げた。

 「(投手を)行かせたのは俺だから。こんな雨の中ずっと残ってくれたファンの人に申し訳ないです。今日は増田(大)を投げさせる予定だったんだけどね。投げさせたらまたいろいろあると思うけど、投げさせなくて良かったなと思って」

 先発・又木は8月21日に再昇格し、救援登板を経ての先発。

だが初回から2死三塁で村上に2ランを浴びた。1―2の4回には2安打1死球で1死満塁となりKO。阿部監督は2回の左腕のバント失敗も指摘しつつ、「ストライクは入るようにはなったけどっていうね。ちょっとレベル低いんだけどね。プロ野球だからさ。もう一回自分が情けないと思ってやってくれよとお願いしたんですけどね」。3回1/3を7安打5失点で2軍再調整が決まった。

 又木がピンチを招くと、2番手・泉も岡本の適時失策で失点。長岡に2点二塁打、村上に満塁弾を浴びた。戸郷が10失点KOされた4月11日・広島戦以来、今季ワーストタイの1イニング7失点。雨脚が強まった回に大勢が決した。

 シーズン最終盤に先発の台所事情が苦しくなっている。

前半戦から奮闘してきたグリフィンや赤星が負傷や再調整でファーム調整中。8月は26試合中10試合で先発が5回未満で降板するなど、先発の投球回は平均5・15回と今年の月間でワーストだった。8月からローテを回る森田が3勝と健闘するが、田中将や又木らが先発に定着できずにいる。「今苦しいですね。自信を持って送れる先発陣がなかなかいないのでね」と杉内投手チーフコーチ。本来の守り勝つ野球を続けるためにも踏ん張りどころだ。

 5回の守備から出場した浅野は直後の攻撃の1死満塁で初球を打ち上げ(浅い右飛)、6回の守備から退いた。惨敗の中で厳しいタクトも振った阿部監督は「みんなには『(切り替えて)明日』ってのは言ったんで」と結んだ。借金2で3位のDeNAと1・5差。残り20試合中、Aクラスを争う3~5位まで試合が16戦。一戦必勝で戦うしかない。(田中 哲)

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