◆JERA セ・リーグ 中日1―0巨人(5日・バンテリンドーム)

 巨人の山崎伊織投手(26)が1球に泣いた。中日打線を相手に5回1死まで1人の走者も出さない力投を展開したが、ボスラーに許した初安打が決勝の右越えソロに。

8回を被安打2、1失点で完投したものの、4敗目を喫した。打線は中日を上回る6安打を放ちながら今季12度目の完封負け。2連敗で、借金は今季ワーストタイの3に膨らんだ。

 やられた。5回1死。それまで1人も走者を出さず、好投を続けていた山崎が、136キロのカットボールをボスラーに捉えられた。打球は中日ファンで埋まる右翼スタンドに一直線。大歓声に包まれるバンテリンDの中央で、山崎は白球を見つめることしかできなかった。

 岐阜で開催された前夜のヤクルト戦は、試合終了直前を含めて3度の中断があった悪天候の中、今季ワースト17安打を浴び、同ワーストタイ12失点での降雨コールド負け。8回の攻撃中は野手の増田大がブルペンで投球練習をするほどの一方的な試合となった。

 流れを断ち切りたい名古屋での3連戦初戦の先発は山崎。今季中日戦は4月に先発で2試合に登板し、1勝0敗、計13イニング無失点と好相性だが「その頃よりも(スタメンが)半分くらい変わっている。

バンテリンは広いけれど、低く投げる時は低くボール球を振らせるとか、投球の基礎の部分をしっかりとやることが大事」と注意深くマウンドに上がった。打線はキャベッジが2番に入り、初めて中堅での先発起用となった。

 右腕対決は投手戦となった。相手先発・柳の前に3回まで無安打。4、5回に安打を放つも後続を絶たれ、緩急を使った投球に翻弄(ほんろう)された。対する山崎は初回から全てフォークを決め球に3者連続空振り三振。2回先頭の細川からも空振り三振を奪い、4者連続K。杉内投手チーフコーチは「どちらかに(ストレート・変化球)偏ることなく、緩急も使いながら、低めに集める伊織らしい投球ができていると思う」とコメント。7回まで2安打1失点と先発としての役割を果たした。

 最大のチャンスは6回だった。先頭の丸が中前安打で出塁。泉口の中前安打、岸田の四球でこの日両軍通じて初めて満塁の好機を作ったが、中山が一ゴロに倒れ無得点。

柳は6回で降板し7回から2番手の藤嶋が登板したが、7回まではゼロ行進が続いた。

 山崎は8回もマウンドへ。下位打線を3者凡退に抑え、8回2安打1失点で投げ切った。打線は中日の2番手以降の藤嶋、メヒア、松山にそれぞれ1イニングを無失点に抑えられ完封負け。山崎の好投に応えられず、連敗で借金は今季ワーストタイの3に膨らんだ。

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