◆JERA セ・リーグ 中日1―0巨人(5日・バンテリンドーム)

 巨人は中日を上回る6安打を放つも今季12度目の完封負け。2連敗で、借金は今季ワーストタイの3に膨らんだ。

先発の山崎伊織投手(26)は5回1死まで1人の走者も出さない力投を展開したが、ボスラーに許した初安打が決勝の右越えソロに。痛恨の被弾で、4敗目を喫した。3位DeNAとは0・5ゲーム差、4位中日とは3差に迫られ、最短で6日にも優勝の可能性が完全消滅する。

 最終盤の同点機も実らず、屈した。0―1の9回に2死二塁の好機を迎えたが、吉川が空振り三振に倒れ試合終了。1失点完投の山崎を援護できなかった。今季12度目の完封負けで2連敗を喫し、借金は同ワーストの3。竜党の歓声を背にベンチ裏へ引き揚げた阿部監督は「1点がとても遠かったですね」と言葉を絞り出した。

 今季はここまで124試合で1点差は47試合あるが、21勝26敗と負け越し。一方、昨季は同条件で25勝21敗と勝ち越した。マルティネスの加入で勝ちパターンはさらに盤石となっているが、僅差の試合でなかなか勝ち切れない試合も多い。その課題が出たように4回は先頭・キャベッジの右前打から1死二塁も、4番・岡本が三ゴロに倒れ、岸田が二ゴロ。

6回1死一、三塁では岡本が浅い中飛で得点を奪えず、2死満塁では中山が一ゴロに仕留められた。

 この夜の敗戦で首位・阪神とは今季最大17差で、最短で6日にも優勝の可能性が完全消滅する。5試合の対戦を残す4位の中日には3差、3位のDeNAにも0・5差に迫られ、5位の広島とも3・5差だ。残り19試合で3~5位との対戦は15試合。阿部監督が最終盤へ「貯金は絶対条件。何個増やせるか。全員で食らいついてやっていく」と語っていた中で、決して少なくはないであろう接戦をモノにし続けて団子状態を抜け出したい。

 そんな中でも好材料はある。阿部監督は「センターの方が動きがいいのでね。両翼っていろんなものを求められるので。それを省いてね、センターで動けるのを昨日(4日ヤクルト戦で途中出場)確認できたので」。来日後初めてキャベッジを中堅でスタメン起用すると、助っ人もそつなくこなし、外野布陣の選択肢が増えた。

結果を追い求める9月。力を結集させて眼前の白星を手繰り寄せる。(田中 哲)

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