◆JERA セ・リーグ 中日1―0巨人(5日・バンテリンドーム)

 本当にこの1球だけ。悔やまれるボールになっちゃったね。

カウント2ボール1ストライクから伊織と岸田のバッテリーは内角のカットボールを選択した。それまでの3球はすべて外角で、この内角カットボールで詰まらせる、あるいはファウルを取るつもりやったと思う。

 ただしコースは高め。普段の低めじゃダメやったんよね。なぜなら、ボスラーは打つときにグッと下半身を沈み込むようにして打つローボールヒッター。普通のベルトから上の高さが好きな打者ならナイスボールなんやけど、ボスラーには絶好球になっちゃう。それが分かっているから岸田も腰を浮かせてしっかりと高めに構えたんやけどな…。それまでほぼ完璧やっただけに皮肉な結果やね。

 ただね、伊織は本当に素晴らしかった。真っすぐはもちろん、すべての球種のキレ、コントロールとも今季の1、2を争う出来やったんちゃう? だからこそ打ってやらな。

 その打線、和真(岡本)が少し心配な状態やね。ヒットは出ているんやけど、この試合の柳やメヒアへの対応を見ていても、右投手のアウトコース低めに沈むカーブ系の球に我慢できず泳がされちゃう。

ただね、和真は誰もが認める巨人の主砲。厳しいようやけど、6回1死一、三塁の場面。調子は悪かろうが犠牲フライは最低限、打ってほしかったな。(スポーツ報知評論家・村田 真一)

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