◆第79回セントライト記念・G2追い切り=9月11日、美浦トレセン
今週末の3日間開催の出走馬が11日、確定した。菊花賞トライアルの第79回セントライト記念・G2(15日、中山=3着まで優先出走権)で始動するファイアンクランツは、美浦・Wコースで併せ馬。
ひと夏を越して成長していた。日本ダービー9着のファイアンクランツは、2走前の青葉賞2着以来のコンビとなるモレイラを背に美浦・Wコースで最終追い切り。グランプレジール(6歳1勝クラス)を3馬身半追走し、直線は強めに追われてラスト1ハロン11秒4(5ハロン66秒4)をマークした。鞍上は「全体的な雰囲気が良くて、とても健康的な感じがした。前回と比べて一番変わったのは精神の安定感。間違いなくメンタルが成長している」と何度もうなずいた。
併せ馬では僚馬に1馬身遅れる形となったが、モレイラは問題なしを強調。「馬が非常に落ち着いていたので、そのぶんトップギアに入るまで少し時間がかかったが、リラックスしていたからこそだし、いい意味でスピードアップに時間がかかったということです」と説明したうえで、「ギアチェンジに時間がかかるタイプというのを確かめることができたのは良かった」とレースに向けてプラスととらえていた。
今回は自らが皐月賞馬に導いたミュージアムマイルと対決するが、特に意識はしていない。「もともとレベルが高いレースだと思うし、ミュージアムマイルがいるのでさらにレースのレベルは上がるが、他の馬のことは考えておらず、いかに自分の馬がリズムよく、ベストのパフォーマンスを出せるかがメインテーマ」と騎乗馬を勝たせることに集中していた。
今年2度目の来日となるが、名手の目標は常に変わらない。
“マジックマン”3日連続で重賞騎乗
モレイラは3月に続き、今年2度目の短期免許を取得した。期間は13日から28日までの3週間で契約馬主は里見治氏。身元引き受けは堀宣行調教師となる。
春シーズンは高松宮記念、桜花賞、皐月賞を含む23勝を挙げ、勝率35.9%、連対率54.7%という驚異的な数字を残した“マジックマン”。「何よりG1を3つも勝つことができたのが一番大きかった。結果を残すことができたのは良かった」と振り返った。
この日は左目の下に大きな絆創膏(ばんそうこう)を貼って取材に対応。「アングリーワイフ」とジョークを飛ばしたあと、「先週土曜にサンパウロの競馬場で騎乗したとき、返し馬で馬にぶつけられた。たいしたけがではないが、かっこう悪いですね」と苦笑いで説明したが、騎乗は問題なし。土曜のチャレンジCはオールナット、日曜のローズSはミッキーマドンナがスタンバイと3日連続の重賞騎乗が決定。