巨人の阿部慎之助監督(46)が22日、残り6試合全勝を目指すと宣言した。クライマックスシリーズ(CS)本拠地開催がかかる2位確保に向け「もう勝ち続けるしかない」とギアをマックスに上げる。

自力2位の可能性は消滅しているが、2位・DeNAと2差の3位からの逆転へ「技術じゃない。もう気持ちでしょ」と掲げ、23日の広島戦(マツダ)から熱くラストスパートをかける。

 ペナントレースの最終コーナーで、力を振り絞る。残り6試合。阿部監督が大号令をかけた。「もう勝ち続けるしかないからね。それしかないので」。CS第1ステージの本拠地東京ドーム開催がかかる2位へ、目指すは全勝。23日の広島戦から一戦必勝のトーナメント精神で挑む決意を示した。

 ここまで勝率5割でリーグ3位。2位・DeNAを2差で追う。自力2位の可能性は消滅。

DeNAが残り6試合で4勝すれば巨人は上回れず、DeNA3勝3敗の場合、逆転には6戦全勝が必要になる。「横浜も横浜で必死でやっているでしょうし。うちも食らいついて、何とかこれ以上離されないようにしたい」。26、27日には敵地・横浜で直接対決2連戦もあり、負けられない試合が続く。

 しびれる順位争い、重圧がかかる状況で力を発揮できるか。そのポイントとして「技術じゃないでしょ。もう気持ちでしょ」と挙げた。阿部監督は現役時代の07、08年にレギュラーシーズン残り6試合を切ってから大一番で勝ち、大混戦を制してリーグ連覇を果たした経験もある。今から技術面が劇的に変わることはない。土壇場で勝負を左右するのはメンタル面。それを選手たちに伝えていく。

 9月は10勝7敗。

攻撃面では4番の岡本が月間打率3割5分5厘と好調。中山、リチャードがスタメンに定着して下位打線の厚みが増し、打順が固定されてきた。吉川が故障離脱したが、ルーキーの浦田の奮闘など明るい材料はある。「みんな何とかしようと思ってやっているんだけど、それ以上の気持ちを出さないと(さらなる)いい結果にはつながらないと思う」。厳しい2位争いで若手が躍動できれば大きな自信となり、それがチームの浮上の原動力にもなる。

 チームは21日の中日戦(バンテリン)後に名古屋から広島に移動し、この日は広島で各自リフレッシュと準備に努めた。今季の広島戦は11勝12敗1分けで23日が最終戦。2勝9敗と苦しんできたマツダで意地を見せてラストスパート開始だ。「何とか2位を」の合言葉を胸に、熱く一致団結して残り6試合全て勝ちにいく。(片岡 優帆)

 ◆近年の巨人の残り6試合でのラストスパート

 ▽07年 中日、阪神との三つどもえの混戦。巨人は9月23日の横浜戦(東京D)で勝利して首位浮上。24日から1差の2位・中日との天王山3連戦(東京D)で2勝1敗と勝ち越し。

試合なしの28日にマジック2が点灯し、残り2試合で迎えた10月2日のヤクルト戦(東京D)で優勝決定。

 ▽08年 阪神と同率首位で迎えた10月4日の中日戦(東京D)に敗れて2位転落。だが、翌5日の同カードに勝利し、8日に0・5差で追う首位・阪神との直接対決(東京D)を制し首位浮上。9日の横浜戦(東京D)は敗戦も、残り2試合で迎えた10日のヤクルト戦(神宮)で優勝決定。

 ▽18年 9月28日のDeNA戦(東京D)で1―0でサヨナラ勝ちして3位浮上。その後、3試合は1勝2敗も、10月4日の広島戦(マツダ)で菅野がシーズン8度目の完封。勝てばCS決定となる同9日の最終戦、阪神戦(甲子園)で4番・岡本が2本塁打を放って史上最年少「3割30本100打点」を達成して勝利。3位を決めた。

 ◆巨人が2位になるには 3位の巨人は、2位・DeNAを2ゲーム差で追い、ともに残り6試合。DeNAが4勝した時点で巨人の3位が確定する。DeNAが3勝3敗の場合、巨人が2位になるためには6戦全勝が必要。DeNAが2勝4敗の場合は巨人は5勝以上が必要になる。

また、巨人が23日の広島戦、26日のDeNA戦に連敗し、DeNAが23日の阪神戦、26日の巨人戦で連勝すれば、2位・DeNA、3位・巨人が確定する。

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