巨人の阿部慎之助監督(46)が22日、残り6試合全勝を目指すと宣言した。クライマックスシリーズ(CS)本拠地開催がかかる2位確保に向け「もう勝ち続けるしかない」とギアをマックスに上げる。
ペナントレースの最終コーナーで、力を振り絞る。残り6試合。阿部監督が大号令をかけた。「もう勝ち続けるしかないからね。それしかないので」。CS第1ステージの本拠地東京ドーム開催がかかる2位へ、目指すは全勝。23日の広島戦から一戦必勝のトーナメント精神で挑む決意を示した。
ここまで勝率5割でリーグ3位。2位・DeNAを2差で追う。自力2位の可能性は消滅。
しびれる順位争い、重圧がかかる状況で力を発揮できるか。そのポイントとして「技術じゃないでしょ。もう気持ちでしょ」と挙げた。阿部監督は現役時代の07、08年にレギュラーシーズン残り6試合を切ってから大一番で勝ち、大混戦を制してリーグ連覇を果たした経験もある。今から技術面が劇的に変わることはない。土壇場で勝負を左右するのはメンタル面。それを選手たちに伝えていく。
9月は10勝7敗。
チームは21日の中日戦(バンテリン)後に名古屋から広島に移動し、この日は広島で各自リフレッシュと準備に努めた。今季の広島戦は11勝12敗1分けで23日が最終戦。2勝9敗と苦しんできたマツダで意地を見せてラストスパート開始だ。「何とか2位を」の合言葉を胸に、熱く一致団結して残り6試合全て勝ちにいく。(片岡 優帆)
◆近年の巨人の残り6試合でのラストスパート
▽07年 中日、阪神との三つどもえの混戦。巨人は9月23日の横浜戦(東京D)で勝利して首位浮上。24日から1差の2位・中日との天王山3連戦(東京D)で2勝1敗と勝ち越し。
▽08年 阪神と同率首位で迎えた10月4日の中日戦(東京D)に敗れて2位転落。だが、翌5日の同カードに勝利し、8日に0・5差で追う首位・阪神との直接対決(東京D)を制し首位浮上。9日の横浜戦(東京D)は敗戦も、残り2試合で迎えた10日のヤクルト戦(神宮)で優勝決定。
▽18年 9月28日のDeNA戦(東京D)で1―0でサヨナラ勝ちして3位浮上。その後、3試合は1勝2敗も、10月4日の広島戦(マツダ)で菅野がシーズン8度目の完封。勝てばCS決定となる同9日の最終戦、阪神戦(甲子園)で4番・岡本が2本塁打を放って史上最年少「3割30本100打点」を達成して勝利。3位を決めた。
◆巨人が2位になるには 3位の巨人は、2位・DeNAを2ゲーム差で追い、ともに残り6試合。DeNAが4勝した時点で巨人の3位が確定する。DeNAが3勝3敗の場合、巨人が2位になるためには6戦全勝が必要。DeNAが2勝4敗の場合は巨人は5勝以上が必要になる。