パ・リーグ ソフトバンク0―1オリックス(22日・みずほペイペイドーム)

 勝負強さと集中打が自慢のソフトバンク打線が、まるで金縛りだ。5度も先頭が出塁し、全て得点圏に進めながら完封負け。

5回2死満塁、6回1死満塁も逃した。塁を埋めながら、あと一本が出ない。小久保裕紀監督(53)は「そうね」と少し苦笑いを浮かべ、「紙一重の勝負なので」と、ゴール目前での3連敗を受け止めた。

 このカードは“満塁病”。20日に8回無死満塁を逃すと、21日も連日の8回無死を含む3度の満塁で無得点に終わった。3試合で計6度。11人連続の凡退だ。本拠地での3連敗は4月29日~5月1日の日本ハム戦以来。しかも相手は、前回の顔合わせまで8連勝で今季15勝3敗2分けと圧倒してきたオリックスだ。みずほペイペイでは昨季途中から1分けを挟み13連勝していた相手に、最終盤で思わぬ苦戦となった。

 この日は、右けい骨骨挫傷で離脱していた柳田が復帰。4月11日のロッテ戦(ZOZO)の悪夢の自打球から、164日ぶりに帰ってきた。

守備や走塁は万全と言えないものの、2番・DH。2打席連続三振の後、5回2死一、二塁で四球をもぎ取ったが、起爆剤とはならなかった。それでも「雰囲気は全然違う」と小久保監督。9回も、背番号9を中心に笑顔があった。

 「ドキドキして家を出た。転校生の気分」と合流した柳田は、試合後も「緊張しなかった。(歓声が)プロ野球って感じ」と持ち前の明るさを貫いた。さらに、腰に張りを抱える近藤も18試合ぶりの右翼での出場を志願。指揮官は「残り9試合、どうしていくか、本人たちと話して」と今後の起用について説明した。日本ハムが敗れてマジックは6。まだ有利。そろった歯車をかみ合わせるだけだ。

(安藤 理)

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