◆JERA セ・リーグ DeNA8―9巨人(27日・横浜)

 信じて走った。ミラクルの起点になるべく、巨人のT・キャベッジ外野手(28)が全力疾走した。

4点を追う9回1死。泥臭く三塁内野安打をもぎ取った。来日初となる4安打目が大逆転への道筋を作った。「自分の仕事は得点すること。それができた」。一挙5点を呼び込んで胸を張った。

 まだ諦めるな―。そんな思いを乗せたフルスイングから計9得点は生まれた。0―4で迎えた3回2死。先発・ジャクソンの初球、外寄りの浮いたスライダーを右翼席に運んだ。出場12戦ぶりの17号ソロで20試合連続出塁とし「反撃のいいきっかけになったんじゃないかな」。5回は右翼線二塁打、7回も得点に絡む一塁内野安打を放ち、サイクル安打に迫る活躍。

アグレッシブな走塁でも鼓舞した。

 連敗なら3位が確定する“横浜決戦”の前日25日。全体練習後のG球場室内には、ウィーラー巡回打撃コーチの教えを体に染みこませるように20分以上マシン相手にバットを振り込む姿があった。日頃からティー打撃の際などに日本の投手の特徴などを助言してもらっており「コーチとの共通の目的は、ボールの内側からしっかりバットを出して捉えること。基本的に相手が誰であろうと同じアプローチで打撃できるように日々努力を重ねている」。崖っぷちの一戦で3投手からHランプをともせたのは特訓の成果だ。

 CS第1Sで戦うDeNAとのシーズン最終戦を白星締め。短期決戦のキーマンになりうる男は「全試合勝つつもりでこれからもやっていく」とさらなる猛打を予告した。

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