東京六大学野球秋季リーグ戦第3週第2日▽明大3―0慶大(28日・神宮)

 明大が慶大に連勝し、開幕4連勝で勝ち点を2に伸ばした。5投手が完封リレー。

前週の東大戦に続き、これで4試合、計36イニング自責0(失点1)と投手陣が好調をキープしている。

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 最速152キロ右腕・菱川一輝(4年=花巻東)が7回から4番手で救援。力強いストレートを軸に、2イニングを1安打無失点、3奪三振と快投した。

 「ストライク先行でいけたのが一番、大きなこと。後輩たちがつないでくれたので、自分もゼロでつなぐと投げていました」

 7回1死ではリーグ戦2打席目で、初ヒットとなる中前安打をマーク。花巻東では三塁手も兼任し、通算22本塁打で主軸も担う強打者だった。「点差も欲しかったので、塁に出て勢いづけられればいいと思っていました」と笑顔がはじけた。

 生まれも育ちも岩手・花巻市。幼稚園年長時の2009年、花巻東のセンバツ準優勝の立役者となったエース左腕・菊池雄星(現エンゼルス)に肩車をしてもらった。「雄星さんは野球を始めたきっかけ。一番憧れている選手です。偉大な先輩なので、近づけるようにしたい」。

卒業後は社会人で野球を継続する。自慢のストレートへ、さらに磨きをかける決意だ。

 2023年秋から4季連続2位の明大。2季連続で早大との優勝決定戦に敗れた。ラストシーズンに懸ける思いは強い。「スタンドにいる4年生も、たくさん応援してくれている。裏方に回ってくれているメンバーのためにも、勝ちにつなげる投球をしようと投げています」。天皇杯奪回へゼロを刻み続ける投手陣。菱川がその一角で、自らの任務を遂行する。(加藤 弘士)

 ◆菱川 一輝(ひしかわ・かずき)2003年7月24日、岩手・花巻市生まれ。22歳。桜台小1年時に松園ファイターズで野球を始める。

花巻北中から花巻東に進学し、1年秋に三塁手でレギュラー。同秋に公式戦初登板。明大では1年秋にリーグ戦初登板。174センチ、76キロ。右投左打。

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