◆東京六大学野球秋季リーグ戦第3週第2日▽明大3―0慶大(28日・神宮)
明大が慶大に連勝し、開幕4連勝で勝ち点を2に伸ばした。5投手が完封リレー。
* * *
最速152キロ右腕・菱川一輝(4年=花巻東)が7回から4番手で救援。力強いストレートを軸に、2イニングを1安打無失点、3奪三振と快投した。
「ストライク先行でいけたのが一番、大きなこと。後輩たちがつないでくれたので、自分もゼロでつなぐと投げていました」
7回1死ではリーグ戦2打席目で、初ヒットとなる中前安打をマーク。花巻東では三塁手も兼任し、通算22本塁打で主軸も担う強打者だった。「点差も欲しかったので、塁に出て勢いづけられればいいと思っていました」と笑顔がはじけた。
生まれも育ちも岩手・花巻市。幼稚園年長時の2009年、花巻東のセンバツ準優勝の立役者となったエース左腕・菊池雄星(現エンゼルス)に肩車をしてもらった。「雄星さんは野球を始めたきっかけ。一番憧れている選手です。偉大な先輩なので、近づけるようにしたい」。
2023年秋から4季連続2位の明大。2季連続で早大との優勝決定戦に敗れた。ラストシーズンに懸ける思いは強い。「スタンドにいる4年生も、たくさん応援してくれている。裏方に回ってくれているメンバーのためにも、勝ちにつなげる投球をしようと投げています」。天皇杯奪回へゼロを刻み続ける投手陣。菱川がその一角で、自らの任務を遂行する。(加藤 弘士)
◆菱川 一輝(ひしかわ・かずき)2003年7月24日、岩手・花巻市生まれ。22歳。桜台小1年時に松園ファイターズで野球を始める。