◆JERA セ・リーグ ヤクルト4―4巨人=延長12回=(28日・神宮)

 巨人の今季3位が確定した。DeNAが広島を下して2位を決めた。

ヤクルトとの一戦は、先発・横川が初回に2失点するなど4回4失点。だが、8回の1イニングを無失点に封じた大勢投手(26)が53ホールドポイント目を挙げて最優秀中継ぎのタイトルを確定させるなど、救援陣は8投手が無失点でつなぐ粘りを見せて延長12回の末に引き分けに持ち込んだ。10月11日から2位DeNAと敵地・横浜でクライマックシリーズ(CS)第1ステージを戦う。

 激闘のさなか、無情にも3位が確定した。午後9時32分、11回2死の若林の打席中にDeNAが広島に勝利した。この瞬間、本拠地でCS開催となる逆転2位の可能性が消滅した。延長12回3時間56分の熱戦で引き分けた阿部監督は「もうCSに向けて切り替えて。けど、ペナントレースあと2試合あるし。そこもきっちりやることやって勝ってCSにつなげたい」と下を向かなかった。

 前日27日は横浜で4点を追う9回に打者11人5安打5得点の大逆転劇でDeNAに勝利。負ければ3位確定の崖っ縁で踏みとどまった。逆転2位の条件はDeNAが残り3戦全敗、巨人が残り3戦全勝と引き続き厳しい状況で迎えたこの日の神宮・ヤクルト戦は、中7日で横川が先発した。

 CSで山崎、グリフィンに続いて先発として期待される左腕だが、初回に4安打2失点。チームとして初回失点は5試合連続、直近9試合中8度目、9月の月間でみても21試合目で15度目。「最近お決まりのように初回に点取られている。取られちゃいけないと思いすぎて取られちゃっているのか、バッテリーがもう少し考えてほしい」と阿部監督が指摘するように立ち上がりが課題になっている。横川は4回4失点で降板と今後に向けて不安を残した。

 昨年15勝3敗の菅野がメジャー移籍。今季は「菅野の穴をどう埋めるか」と掲げて臨んだが、先発陣のやり繰りに苦戦した。2年連続開幕投手の戸郷がここまで7勝9敗、飛躍が期待された井上が4勝8敗、赤星も6勝9敗、田中将が2勝4敗といずれも黒星先行。6勝1敗のグリフィンも故障で定着できなかった。山崎が11勝4敗とフル回転したが、年間通して先発ローテは試行錯誤が続いた。

 それでも、攻撃陣が上向きな点は好材料だ。この日も2点ビハインドから中山の2打席連続適時打で同点に追いつくなど粘り強さが出てきている。

DeNAに敗れた昨年のCSは6試合で計9得点と打線が沈黙。大城卓、坂本、ヘルナンデスが務めた5番打者は計22打数無安打で4番・岡本が計4つの申告敬遠と勝負を避けられた。だが、今季は得点圏打率3割5分9厘の岸田や勝負強い中山が5番以降にいるのは心強い。

 CS第1Sは横浜でDeNAと対戦する。普段はG党が応援する左翼ビジター席がCSではDeNA応援席になり、巨人応援席は三塁側上段のウィングシートになる。外野席は青一色が予想されるが、何としても突破するしかない。球団初の3位からの日本シリーズ進出、日本一の下克上へチーム、ファンが団結して挑む。

 借金1で残り2試合。30、10月1日の中日2連戦(東京D)に向け「最後は東京ドームでしっかり勝つ姿をファンの人に見せないといけない」と阿部監督。悔しさを胸に次の目標に歩み出す。(片岡 優帆)

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