◆JERA セ・リーグ ヤクルト4―4巨人=延長12回=(28日・神宮)
巨人の今季3位が確定した。DeNAが広島を下して2位を決めた。
激闘のさなか、無情にも3位が確定した。午後9時32分、11回2死の若林の打席中にDeNAが広島に勝利した。この瞬間、本拠地でCS開催となる逆転2位の可能性が消滅した。延長12回3時間56分の熱戦で引き分けた阿部監督は「もうCSに向けて切り替えて。けど、ペナントレースあと2試合あるし。そこもきっちりやることやって勝ってCSにつなげたい」と下を向かなかった。
前日27日は横浜で4点を追う9回に打者11人5安打5得点の大逆転劇でDeNAに勝利。負ければ3位確定の崖っ縁で踏みとどまった。逆転2位の条件はDeNAが残り3戦全敗、巨人が残り3戦全勝と引き続き厳しい状況で迎えたこの日の神宮・ヤクルト戦は、中7日で横川が先発した。
CSで山崎、グリフィンに続いて先発として期待される左腕だが、初回に4安打2失点。チームとして初回失点は5試合連続、直近9試合中8度目、9月の月間でみても21試合目で15度目。「最近お決まりのように初回に点取られている。取られちゃいけないと思いすぎて取られちゃっているのか、バッテリーがもう少し考えてほしい」と阿部監督が指摘するように立ち上がりが課題になっている。横川は4回4失点で降板と今後に向けて不安を残した。
昨年15勝3敗の菅野がメジャー移籍。今季は「菅野の穴をどう埋めるか」と掲げて臨んだが、先発陣のやり繰りに苦戦した。2年連続開幕投手の戸郷がここまで7勝9敗、飛躍が期待された井上が4勝8敗、赤星も6勝9敗、田中将が2勝4敗といずれも黒星先行。6勝1敗のグリフィンも故障で定着できなかった。山崎が11勝4敗とフル回転したが、年間通して先発ローテは試行錯誤が続いた。
それでも、攻撃陣が上向きな点は好材料だ。この日も2点ビハインドから中山の2打席連続適時打で同点に追いつくなど粘り強さが出てきている。
CS第1Sは横浜でDeNAと対戦する。普段はG党が応援する左翼ビジター席がCSではDeNA応援席になり、巨人応援席は三塁側上段のウィングシートになる。外野席は青一色が予想されるが、何としても突破するしかない。球団初の3位からの日本シリーズ進出、日本一の下克上へチーム、ファンが団結して挑む。
借金1で残り2試合。30、10月1日の中日2連戦(東京D)に向け「最後は東京ドームでしっかり勝つ姿をファンの人に見せないといけない」と阿部監督。悔しさを胸に次の目標に歩み出す。(片岡 優帆)