◆JERA セ・リーグ ヤクルト4―4巨人=延長12回=(28日・神宮)

 神宮の夜空に上がった泉口の打球が、そのまま右翼席に飛び込んだ。0―2の4回1死二塁で初球の内角変化球をバットに乗せ、「同点に追いつくことができてよかったです」と8月9日のDeNA戦(横浜)以来となる6号2ラン。

6回先頭でも中前へ運び、9月で6度目のマルチ安打。打率を2割9分9厘に上げ、巨人では19年坂本以来となる6年ぶりの3割打者へ近づいた。

 連続無安打は最長3試合。練習の中で試行錯誤し、好不調の波を小さくしていることが成績に直結している。「青学は特に自主性を重んずる大学だったので、自分で何が足りないのかを考えながら練習する力はついたなと思います」。一学年10人前後と少数精鋭の名門野球部では、メニューが定められた全体練習は1日約2時間のみで、残りの時間は個別トレ。己と向き合う時間で腕を磨いてきた。神宮で打率3割1分5厘と、青学大時代に慣れ親しんだ場所で輝きを放っている。

 打率3割6厘でリーグトップの小園(広島)が残り試合を欠場すれば、逆転首位打者への条件は6打数以上立って全て安打か、8打数7安打となる。出塁率3割5分8厘は1位の小園と4厘差の3位。こちらも逆転へ最低3度の出塁が必要だが、タイトルは射程圏内にある。シーズン3位が確定も「CSに向けてという意味で大事な試合になると思うので。

2つ勝って、CSに入れるように」と気を緩めなかった背番号35。個人記録にもスポットが当たる残り2戦。最後まで走り抜ける。(内田 拓希)

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