パ・リーグ ロッテ3―4日本ハム(28日・ZOZOマリン)

 痛烈なライナーを放った。2―3の7回1死二塁、日本ハムの清宮幸太郎内野手(26)が小島の初球を捉え、右前安打とした。

初回の左翼フェンス直撃二塁打、5回の遊撃内野安打に続き、この日3安打目。今季11度目の猛打賞で140安打に到達し、トップの楽天・村林に1本差まで迫った。「取れるものは取りたい。こうなったら気になってきちゃいますけど、相手もあるので自分のことに集中できれば」。楽天が残り5試合に対し、自軍は2試合と不利な状況だが、プロ初のタイトルとなる最多安打に欲を見せた。

 新庄監督のアシストが効いた。この日は4月27日のロッテ戦(エスコン)以来今季3度目の1番起用。前日の試合後、報道陣から清宮幸にタイトルのチャンスがあることを知らされ「(報道陣が)言ってるから。(1番に)しないといけないのかと思って」と抜てきの理由を説明した。「これで取ったとしてもピンとこんね」と打率2割7分での獲得には納得いかない様子だったが、「まあでも文字には残りますからね。あと2試合1番でいって」と背中を押す考えを示した。

 試合前には“緊急会談”もあった。

新庄監督は前日の試合後、清宮幸に最多安打に関してのダイレクトメッセージを送っていた。しかし、清宮幸は「なんかDM来てたらしくて。僕気づいていなくて」とまさかの“未読スルー”。試合前にメッセージの存在を知り、指揮官と直接話してタイトルへの思いを一つにした。

 今季はチーム最多の136試合に出場し安打を積み重ねた。「この(残り)2試合をどう捉えるか。選手としての真価が問われる」。チームを引っ張る26歳が、最終盤で初のタイトルをかっさらう。(川上 晴輝)

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