今年3月に定年で調教師を引退して、美浦・小島茂之厩舎で補充員として働き始めた国枝栄厩務員が、4月25日の東京10R・鎌倉S(4歳上3勝クラス、ダート1400メートル)で“デビュー戦”を迎えた。担当するトクシーカイザー(牡6歳、美浦・小島茂之厩舎、父キンシャサノキセキ)は、掲示板を確保する5着に健闘。

国枝厩務員は「本当に頑張ってくれたし、無事に終わってくれてよかった。すごくよかったね」と、充実の汗をぬぐった。

 多くのファンの熱視線を集めたパドックでは、武豊騎手の足を上げて馬に乗るのを手伝い、「新人だから頼むよ」と伝えたという。レース後の取材でレジェンドは「新人だから気を使ったけど、上手にやっていたと思いますよ。将来有望です(笑)」とジョーク交じりに笑顔でうなずいた。

 担当馬と馬運車に乗って競馬場に向かい、レースに臨むのも初めての経験だった国枝厩務員は、レース直前のゲート裏まで馬をひいていった。「何でも見てみようということで。調教師の時にもゲート裏には行っているけど、違う視点でよかったよ。馬の一番近いところで、競馬に向けてどんどん雰囲気が変わっていくのが面白かった」と、新たな気づきもあった様子。古希を過ぎた“オールドルーキー”は、どこまでも好奇心旺盛だった。

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