今春、調教師に転身した和田竜二元騎手(48)の引退式が26日、全レース終了後に京都競馬場のウィナーズサークルで行われた。恩師・岩元市三元調教師、武豊、競馬学校「花の12期生」の同期・古川吉、福永調教師らが花束を贈呈。

温かい拍手に包まれた会場にファンからの「ありがとう!」コールが響いた。

 明るい表情で騎手生活に区切りをつけた。落馬負傷により、騎手免許の有効期限である2月28日までに騎手としての復帰はかなわなかった。「騎手を全うして30年間の思いをファンの人と家族の前で見せたかった」と悔しさを吐露したが、「見送っていただいたおかげで、次のステップに向かえるという力強い気持ちも出てきた」と最後は笑顔。真っすぐに第2のホースマン人生を見据えた。

 デビューから今まで、大切にし続けてきた言葉がある。「自分の心に曇りを感じることをするな」。コンビを組んだ代表馬であるテイエムオペラオーを管理した師匠の岩元元調教師からの教えだ。「時にはつらい思いもして、自分を見失うこともあった。これだけたくさんの人に集まっていただき、自分の人生は師匠の教えを守れた騎手人生だったと改めて感じることができた」。感極まりながらJRA通算1534勝を積み重ねた30年間を総括した。

 引退式では「騎手の皆さまに喜ばれるような、ずっぶい馬をつくりたい」と冗談を飛ばす、らしさも忘れなかった。

「師匠の言葉をこれからも忘れず、この世界で頑張っていきたい」。偉大な師の背中をこれからも追って、和田竜二調教師は新たなスタートを切る。(山本 理貴)

 武豊騎手「長く一緒に乗っていて、勝ったり負けたり、ずっとやってきましたからね。独特のいいジョッキーだった。今後は調教師として、ジョッキーの経験を生かして、ファン思いなので調教師としてもファンが喜ぶような馬を育ててくれるんじゃないかな。(騎乗依頼の)声がかかるように頑張らないと、ですね」

 障害の名手・石神深一騎手は京都でラスト騎乗

 オジュウチョウサンとのコンビでJG1・9勝を挙げ、史上初の障害重賞完全制覇を達成した石神深一騎手(43)=美浦・フリー=が、26日の京都4R・障害4歳上未勝利で、現役ラスト騎乗を終えた。フジフォンテの手綱を執って7着。気迫を込めて鼓舞し続けた。

 18日に中山で引退式を行い、最終週は京都で2鞍。「引退式の時はまだ、もう1週競馬があるという緊張感がありました。今日はもう、いろいろと緩んで涙が出そうです」と万感の思いだった。

 レース後に横山典、同期の川島信二元騎手、武豊から花束を手渡され、笑顔で記念撮影。

「やっぱり豊さん、典さんに憧れてこの世界に入ったので。グッとくるものがありましたね」と最後は胴上げで3度宙を舞い、騎手生活に別れを告げた。

 来月からは美浦・柄崎厩舎で調教助手となる。長男・深道騎手はデビュー3年目。次男の龍貴さんも今春競馬学校に入学。これまで通り息子たちの成長を見守り、競馬界の発展に尽力していく。

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