馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回は英国馬スキーパラダイスが勝った1994年の京王杯スプリングCを取り上げる。

この年から門戸を開放した外国馬が4着までを独占。日本競馬に衝撃を与えた一戦だ。

 外国からの刺客が次々と日本馬を飲み込んだ。直線入り口。好位追走していたスキーパラダイスがインから抜け出しにかかる。外から抵抗するように追い比べを続けるザイーテン。内ラチ沿いからサイエダディもしぶとく伸び、後方からドルフィンストリートも差を詰めてくる。その後方に沈む日本馬たち。世界との差を見せつけられた。

 勝ったのはスキーバラダイス。武豊は内から先頭に立った後もステッキをほぼ入れず、まだ余力がたっぷりあるような手応えで後続を突き放す。最後は後方を振り返るほどの余裕があるほどで、2着のザイーテンを1馬身半突き放した。

初コンビだった武豊も「ゴール前では余裕があった。同じようなレースができれば本番でも楽しみ」と安田記念への期待を膨らませる走りだった。

 勝ったスキーパラダイスはG1勝利こそないが、前年にジャックルマロワ賞からムーランドロンシャン賞、フォレ賞、BCマイルと実力馬が集まる世界のG1で4戦連続2着。さらに2~4着馬はすべて欧州でG1を勝ってきた実力馬ばかり。一方、11頭の日本馬の中でG1勝ち馬は5着のホクトベガ1頭のみだった。実力差が歴然としていたレースではあったが、門戸開放直後に与えたインパクトは強烈。外国馬たちが4着までを独占した1984年の第1回ジャパンCの衝撃を思い起こさせるものだった。

 スキーパラダイスは引退後、日本で繁殖牝馬となり、阪神牝馬Sを勝ったエアトゥーレなどを送り出した。その子供からは皐月賞馬のキャプテントゥーレや、重賞勝ちのアルティマトゥーレやクランモンタナが出るなど、偉大な血は子供たちに受け継がれている。

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