◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 10年…いや、20年ほど前だっただろうか。風間八宏氏(現関東サッカーリーグ1部・南葛SC監督)が映像を通して発した言葉「こだわりというメンタル」を思い出した。

アスリート枠で共通する部分もあるだろう。24年に新人王に輝き、救援としてチームを助けている巨人・船迫大雅投手にとってはどうなのか。

 ルーチンなどのこだわりはあるが、プロの舞台に慣れないことも捨ててはいけない部分だという。「自分が自分じゃない」と言うほど頭をフル回転させて打者を封じるマウンド上。その境地に至っているのは常に新鮮な気持ちがあるからだ。「4年目で当然慣れも少しずつ出てきてますけど、そういう時は初心に返って1年目の動画を見たり、打たれた時の悔しさを思い出して、慣れをなくすようにしています」。戻ることも未来につながっている。

 私生活ではどうなのか。例えば好物のラーメン。中華そば、家系、二郎系など幅広くたしなむが「強いて言うなら、一人でラーメン屋に行ってラーメンと対話するのがこだわりかもしれないです。店によってアブラや味の濃さも違うので、こんな感じかと対話しながら」と笑う。こじつけを承知だが、これもまた「こだわりという“麺タル”」かもしれない。

 ピンチでの登板が目立ち、火消し役と言えば―の印象は強い。それでも「もう少し定着させたい。ファンの方からもですし、ベンチ、ブルペンからも。自分が出てきたら大丈夫だと思ってもらえるような結果を積み重ねていきたいです」と高い向上心が口をつく。極上を目指す男の心には強い芯が備わっている。(巨人担当・田中 哲)

 ◆田中 哲(たなか・てつ) 2020年入社。楽天、日本ハムを経て23年から現職。

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