【モンテレイ(メキシコ)6日=ペン・金川誉、後藤亮太、カメラ・山崎賢人】日本代表は6日、メキシコ1部ティグレスの練習場でトレーニングを行った。全体練習後には、元日本代表MFの中村俊輔コーチ(47)から指名を受けた5選手が居残りでFK練習を行った。

スペシャリストだった俊輔コーチの“FK塾”が開講され、W杯では2010年南アフリカ大会でのMF本田圭佑、MF遠藤保仁以来となる直接FKゴールを託されるキッカーの選定、技術伝授が始まった。

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 日本史上最高のプレースキッカーが見つめる前で、5人はFK練習に打ち込んだ。全体練習後、中村俊輔コーチから指名を受けて居残ったのは、右利きの伊東、鎌田、田中、菅原、そして左利きの久保。空気抵抗によるブレが少なく、ボールを覆うパネルが、過去最少の4枚で構成されたW杯公式球「トリオンダ」の感触を確かめるように、何度もゴールを狙い続けた。

 この日、俊輔コーチからの技術指導はまだなかった。久保は「今日は映像を撮ってもらったんで、今後何かしらのフィードバックをもらえると思います」と目を輝かせた。伊東も「日本人では一番憧れていた選手。(あのキックの)まねはできない。正直、あんなFKは決められない」とリスペクトを胸に、FK練習に取り組んだ。

 森保ジャパンは、「FKのスペシャリスト」不在という課題を抱えている。日本代表では2022年の東アジアE―1選手権で相馬勇紀(現・町田)が決めたのを最後に、第2次森保政権(2023年~)では、直接FKによるゴールが生まれていない。かつて中村俊輔を筆頭に、2010年南アフリカW杯でネットを揺らした本田圭佑、遠藤保仁ら名手を擁したが、所属クラブで主戦キッカーを任されている選手すらほとんどいないのが現状だ。

 代表で9得点、J1で24得点といずれも歴代最多の直接FKゴールを決めた俊輔コーチ。希代のレフティーが描いたような、鋭く曲がって落ちる芸術的なキックは一朝一夕にはいかない。しかし、FKの成否はキックの精度だけで決まるわけではない。GKとの駆け引きを含めた「高度な心理戦」こそが重要であり、そのすべてのノウハウが俊輔コーチの脳内には詰まっている。「やっぱり一番FKのうまい人から教われるのは大きい」と伊東。きん差の勝負が増えるW杯では、これまで以上にセットプレーが重要だ。直接FKの得点確率を少しでも上げるため、レジェンドの知恵を吸収していく。(金川 誉)

 ◆W杯直接FKゴール 10年南アフリカW杯1次リーグ第3戦のデンマーク戦で本田圭佑、遠藤保仁が記録した2ゴール。0―0の前半17分、右サイドのFKから本田が無回転シュートを決めた。前半30分には本田と遠藤がゴール正面FKの位置で並び、遠藤が右足で華麗なコントロールシュートをゴール右へ沈めた。

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