巨人は10、11日のクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)でDeNAに2連敗して敗退し、2026年の戦いが幕を閉じた。2年ぶりリーグ優勝を目指した今季は76勝64敗3分けで、優勝した阪神と2・5差のリーグ2位。

阿部前監督が辞任し、交流戦から橋上監督代行が率いた中で、惜しくも頂点に届かなかったシーズンを振り返る全3回の連載「橋上巨人2026 検証」。第1回は得点力不足に苦しんだ打線に迫る。

 チームが抱える課題を痛感させられる結末だった。DeNAとのCS第1S。初戦は初回の牧のソロと9回の度会の決勝ソロによる2失点で敗戦。第2戦も度会の先頭打者本塁打で流れを持っていかれた。一振りで試合を決められる本塁打の威力は、やはり強烈だった。本来、巨人が本拠地で展開したいはずの一発攻勢に屈して今季が終戦した。

 主砲の岡本がメジャー移籍した今季、チーム本塁打はリーグ4位の103本に終わった。助っ人のダルベックが25本、キャベッジが13本も、日本人では大城と佐々木の10本が最多で、泉口が8本、増田陸が6本、坂本が5本と、迫力不足は否めなかった。

 昨オフから誰もが危機感は抱いていた。秋季キャンプではロングティー打撃を日課として導入。

野手は連日、強く振って遠くに飛ばす意識を養った。今季開幕後は、練習のフリー打撃であえて反発係数の高い「飛ぶボール」を使ったこともあった。東京Dのスタンド上段に続々と特大弾を連発して良いイメージを共有。何とかしようと工夫はしたが、最後まで苦戦した。

 東京Dは比較的、本塁打が出やすいとされているが、今年の巨人は64試合で46本塁打、211得点。1試合平均0・7本塁打、3・2得点は物足りないと言わざるを得ない数字で、33勝29敗2分けと「地の利」を生かせなかった。22年は東京Dで65試合で93本塁打だったが、ここ数年で激減。長打力の少なさは喫緊の改善ポイントだ。

 特に東京Dでの阪神戦は3勝10敗と惨敗した。阪神打線はその13試合で17本塁打、65得点。1試合平均1・3本塁打、5得点と力の差を見せつけられた。

 1軍はウィーラー、李承燁(イ・スンヨプ)の両外国人が打撃コーチを務めた。

助っ人コンビの異例の体制で、どんな化学反応が起きるのか、期待されたが、実際は難しい面が多かった。ともに日本語がある程度、理解できるとはいえ、英語のウィーラーコーチと韓国語のスンヨプコーチが細かい部分まで意思統一するのは困難だった。

 ある試合では、野手陣にウィーラーコーチが「逆方向に打っていこう」と指示を出した反面、スンヨプコーチが「引っ張って強い打球を打とう」と鼓舞。橋上オフェンスチーフコーチが阿部前監督の辞任を受け、交流戦から監督代行となったこともあり、攻撃面の指示伝達が密に取れていたとは言えない状況だった。後半戦からはスンヨプコーチの担当通訳が新たな道に進むことを決意して電撃退団。球宴以降、スンヨプコーチの専属通訳が不在だったことも無関係ではなかった。

 チーム四球数384はリーグ最少。三振1207はリーグ最多だった。ある他球団のスコアラーは、自チームの巨人戦前のミーティングで「どんどんストライクゾーンで勝負していくように」と伝えていたという。怖さがないから、ゾーンで勝負され、四球も増えない。長打が少ないから相手の外野守備も定位置より前進。得点圏打率リーグ2位の2割5分3厘と悪くなかったが、走者二塁で単打を打っても外野が前だから本塁にかえれない場面も多かった。

全てが悪循環に陥っていた。

 阪神の森下、佐藤、大山と比べると、根本的なメンバー編成、近年のドラフトも検証の必要があるだろう。深刻な得点力不足は投手陣に大きな負担がかかった。(特別取材班)

 ◆記録メモ 巨人の本塁打は103本。セ・リーグでは阪神とDeNAの各125本、中日の121本に次いで4番目だった。本塁打の順位でリーグの4位以下は、98本で4位の15年以来、11年ぶりだ。

 昨年の96本(2位)からは増えたものの、東京Dでの本塁打は50本から46本に減少。88年に開場したこの球場で巨人のシーズン本塁打は、24年の37本、89年の38本、88年の43本に次いで、4番目の少なさになる。

 セ・リーグ4球団と交流戦には勝ち越したが、優勝した阪神に8勝16敗1分け。このうち東京Dで3勝10敗と大きく負け越した。このカードで球場別の打撃成績は

     得点 打率 [本]

甲子園 =巨32 .207 〈9〉

 12試合=神36 .277 〈5〉

東京D =巨28 .198 〈11〉

 13試合=神65 .261 〈17〉

 東京Dでの得点は巨人28点に対して阪神65点。得点力不足が勝敗に影響した。

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