プロレスラーの“インドの狂虎”タイガー・ジェット・シン(本名・ジャグジット・シン・ハンス)が16日、横浜市内の総持寺を訪れ宿命のライバルだったアントニオ猪木さん(享年79)の墓所を墓参りした。

 

 現在、82歳のシンは、昭和の新日本プロレスで猪木さんとの遺恨闘争で新日本プロレスを繁栄に導いた。

2024年には、東日本大震災で被災した児童への寄付などの慈善活動が評価され春の叙勲で旭日双光章を受章した。今回は17日に代々木第二体育館で開催するゼロワンの工藤めぐみGMの40周年記念大会「邪道姫伝説」へ息子のタイガー・アリ・シンと共にゲストとして招かれ、12年5月以来14年ぶりの来日を果たした。

 アリ・シンと共に紺のターバンを巻き、猪木さんの真っ赤な闘魂タオルをかけて墓所を訪れたシンは、猪木さんの銅像の横で天を見上げ「猪木!」と呼び掛けた。そして「俺は、猪木を感じている」と切り出すとおよそ5分間にわたり、「我々の闘いは多くのファンを熱狂させた」猪木さんとの激闘などの思い出を語り、サーベルで猪木さんの銅像を突き刺した。

1944年4月3日にインドで生まれたシンは、カナダに移住し65年にシンガポールでレスラーとしてデビュー。新日本プロレスには、73年5月4日、川崎市体育館での試合に乱入し参戦した。

 以来、ターバンに身を包みサーベルを手にした凶悪攻撃で猪木さんと壮絶な遺恨闘争を展開。73年11月5日には新宿伊勢丹前で当時の妻だった俳優の倍賞美津子と買い物を終えた猪木さんを襲撃するなど抗争はエスカレートした。

 74年6月26日の大阪府立体育館での一騎打ちで猪木さんに右腕を脱臼させられる「腕折り事件」など今も語り継がれる歴史に残る名勝負をリングに刻み、75年3月13日には広島県立体育館で猪木さんを破りNWF世界ヘビー級王座を奪取した。

 79年8月26日には日本武道館で開催された「夢のオールスター戦」でアブドーラ・ザ・ブッチャーとのタッグで猪木さん、ジャイアント馬場さんの「BI砲」と対戦し、名実ともに日本マット界でトップ外国人であることを証明した。

 81年7月には全日本プロレスへ移籍。馬場さん、ジャンボ鶴田さんらと対戦。

86年11月1日にはプロレスに転向した大相撲の元横綱輪島さんのデビュー戦の対戦相手を務めるなど、全日本プロレスでもトップ外国人として君臨した。

 90年9月30日には横浜アリーナでの猪木さんの「デビュー30周年記念大会」で猪木さんとタッグを結成。91年12月18日には馳浩と巌流島決戦を行った。92年6月から大仁田厚が主宰する「FMW」に参戦。大仁田と電流爆破マッチで対戦した。

 その後、NOW、IWAJAPANなどに参戦。2011年8月27日には猪木さんが主宰する「IGF」が両国国技館で開催された東日本大震災復興大会に登場し猪木さんを襲撃した。

 リング上では凶悪ファイターとして暴れ回ったシンは、リングを下りると実業家であり、カナダで高校を開校するなど青少年の教育にも尽力した。また、東日本大震災では多額の支援を行うなど篤志家でもある。

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