解任が決まったロシニアー Photo/Getty Images
指揮官を使い捨て
ロンドンの名門チェルシーが、プレミアリーグ創設以降に支払ってきた「監督解任に伴う違約金」の総額が、他クラブを大きく上回る約1億6160万ポンド(約340億円)に達している。『GiveMeSport』が報じている。
今季もリアム・ロシニアー氏が解任されるなど、ベンチの落ち着かない状況は変わらない。1993年にプレミアリーグになって初の監督解任を記録して以降、指揮官交代を繰り返してきた歴史がある。結果を急ぐあまり忍耐を欠き、巨額の違約金を支払い続けてきた実態が、あらためて数字として浮き彫りとなった。
特に高額な「手切れ金」となったのが、2018年のアントニオ・コンテに対する約2660万ポンドで、これに2007年のジョゼ・モウリーニョへの約2310万ポンドが続く。プレミアリーグ全体で1000万ポンド以上の違約金が発生したケースは18回あるが、そのうち8回がチェルシーによるものだという。トッド・ベーリー体制となってからも、ここ4年で5人の監督が交代するなど、そのペースはむしろ加速。巨額投資がチーム強化ではなく、去りゆく指揮官への補償に充てられている現状は深刻だ。
一方で、最新のロシニアー氏の解任については、クラブ側にも変化の兆しが見られる。高額な違約金が噂されていたものの、実際には契約1年分にあたる約400万ポンドに抑えられる見通しだ。かつてのような長期契約と即解任の悪循環から脱却しようとする動きは見えるものの、現場の混乱は依然として続いている。すでに後任候補として16名もの名前が挙がるなど、スタンフォード・ブリッジの“監督ガチャ”が止まる気配はない。
チェルシーに今求められているのは、高額な新指揮官ではなく、「一人の監督を信じ抜く覚悟」なのかもしれない。

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