メキシコが見据えるのはラウンド32以降の戦い

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R・ヒメネスの決定力はメキシコの大きな武器となる Photo/Getty Images

 ホスト国メキシコ代表は5月6日から国内組を集めてキャンプするなど、順調に準備を進めている。メキシコシティで南アフリカ代表、チェコ代表と戦い、グアダラハラでは韓国と対戦するが、いずれも慣れ親しんだ土地での試合になる。2022年カタールW杯ではグループリーグで敗退したが、それまで出場したW杯では8大会連続で決勝トーナメントに進出していた。

2025年ゴールドカップ王者として臨む今大会は、ラウンド32以降を見据えて戦っていくことになる。

 日本でもお馴染みのハビエル・アギーレ監督(3度目の就任)が率いるメキシコは、今年5試合を戦って3勝2分けとまだ負けていない。5月31日に日本代表が戦うアイスランド代表には4-0で快勝していて、ベルギー代表、ポルトガル代表という欧州勢との連戦にも引分けている。「メキシコにとって過去最高のW杯にするという最終的な目標に向かってわれわれは集中している」とはアギーレ監督が3月に残した言葉で、良い状態で本大会を迎えられそうだ。

 前線には4度目のW杯出場となるラウール・ヒメネス(フラム)が健在で、中盤にはオベド・バルガス(アトレティコ・マドリード)、アルバロ・フィダルゴ(ベティス)などがいる。フィダルゴはスペインの世代別代表でプレイしていたが、今年3月のポルトガル戦でメキシコ代表デビューを飾っている。本大会へ向けた秘密兵器のような存在だと言える。

 グループリーグを勝ち上がったあとのことを考えると、メキシコは1位通過したい。なぜなら、1位抜けならメキシコシティ、2位抜けだとロサンゼルスに移動してラウンド32を戦わなければならない。実力差&経験差がある南アフリカには勝利が見込める。韓国とは昨年9月に戦い、2-2で引き分けている。チェコは粘り強くプレイオフを勝ち上がってきたチームだが、より強者だと考えていいポルトガル、ベルギーとの強化試合を経験済みだ。
メキシコは高い志を持って準備を進めている。グループリーグ突破は最低限の目標で、ラウンド32からが本当の戦いになる。
 

R・ヒメネス、ソン、シック 3人のストライカー対決にも注目

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驚きの粘り強さで本大会出場を勝ちとったチェコ Photo/Getty Images

 南アフリカ、韓国、チェコはホスト国メキシコとの対戦で勝ち点3を狙うより、それぞれの対戦で勝利することを考えたほうが現実的かもしれない。もちろん、メキシコ戦も勝ち点を狙って戦うべきだが、3位でもラウンド32に進めることを考えると、大きな痛手を負うのは避けたい。

 韓国はソン・フンミン(ロサンゼルスFC)を筆頭に、イ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)、ファン・ヒチャン(ウルブズ)など攻撃陣にタレントが揃う。アジア最終予選は中東勢5カ国のなかに放り込まれたが、[4-2-3-1]でラインを高く保ち、しっかり攻め切って無敗で首位通過している。

 その後の強化試合では3バック、5バックなども試したが、今年3月のコートジボワール、オーストリアに連敗したように良い結果は出ていない。メキシコはともかく、南アフリカ、チェコはそう攻撃力があるわけではない。韓国は戦い慣れた4バックでW杯に挑むと考えられる。

 欧州プレイオフで驚異的な粘りをみせたのがチェコだ。準決勝のアイルランドには2点をリードされたが、追いついてのPK勝ち。決勝のデンマーク戦も2-2からのPK勝ちという出場権獲得だった。

前線のパトリック・シック(レヴァークーゼン)、中盤のトマーシュ・ソウチェク(ウェストハム)、最終ラインのラディスラフ・クレイチ(ウルブズ)など縦のラインがしっかりしている。たとえ劣勢になっても慌てないチームで、勝負どころを心得ていて少ないチャンスを逃さない集中力がある。

 メキシコのR・ヒメネス、韓国のソン・フンミン、そしてチェコのシック。いずれも高い決定力を持つストライカーで、グループAは勝敗だけではなく3人の競演も見どころとなる。

 自国開催だった2010年大会以来、3度目のW杯出場となる南アフリカにはこの3人ほどのストライカーはいない。ただ、守備は堅く、アフリカ予選でナイジェリアと2引分けだった。主将であり守護神のロンウェン・ウィリアムズ(マメロディ・サンダウンズ)、CBのイメ・オコン(ハノーファー)などを中心に、いかに失点しないで試合を進められるかが勝ち点獲得へのカギになる。
 
文/飯塚 健司

※電子マガジンtheWORLD317号、5月15日配信の記事より転載

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