ギュレル、ユルディズを擁しトルコは右肩上がりで成長中

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トルコはギュレルなど良質なMFを多く揃えるPhoto/GettyImages

実力が接近する4カ国であり、どのチームにも勝ち上がるチャンスがある。アメリカ代表、オーストラリア代表は前回のカタールW杯でベスト16に進出している。パラグアイ代表は過去W杯に8回出場し、4回グループリーグを突破している。

トルコ代表は2002年日韓大会で3位になって以来の出場だが、EURO2024でベスト8になっており、FIFAランクはオーストラリア、パラグアイよりも上だ。国際大会での実績&経験がある4カ国で、どのチームがラウンド32に進出しても不思議はない。

わずかに力が抜け出していると考えられるのは、絶対的な存在である主将のMFハカン・チャルハノール(インテル)を筆頭に、MFアルダ・ギュレル(レアル・マドリード)、MFケナン・ユルディズ(ユヴェントス)など質の高い選手を揃えるトルコだ。欧州予選ではスペインと同組だったためグループ2位となってプレイオフにまわったが、ルーマニア、コソボを下して出場権を獲得した。ギュレル、ユルディズはいずれも21歳で、こうした若手を積極的に起用してきたのが2023年9月からチームを率いるヴィンチェンツォ・モンテッラ監督だ。「トルコ人のように感じて、トルコ人のように考えている」(モンテッラ監督)と語るイタリア人指揮官はチームのまとまりを大事にしていて、トルコは全員が献身的に足を動かし、強度高く戦うチームに仕上がっている。

欧州予選では6試合で12失点したが、このうち6失点は第2節にホームでスペイン戦に大敗(0-6)したときのもの。この敗戦が良い教訓となり、トルコはその後無敗で駆け抜けた。アウェイでのスペインにも2-2で引き分けている。守護神のウールジャン・チャクル(ガラタサライ)、足元がうまい現代型CBのアブドゥルケリム・バルダクチ(ガラタサライ)を中心に守備組織を構築し、尻上がりに調子をあげてプレイオフを勝ち抜いている。良質な若手がいて、チーム全体が右肩上がりで成長している。実力伯仲のグループではあるが、トルコはラウンド32に進出する可能性が高い。

アメリカは得点力がある 堅守が光るパラグアイ

[特集/2026W杯大展望 グループD]トルコが少し抜き出るも4カ国すべてにチャンスあり

アメリカを牽引するプリシッチは多くの経験値を持つプレイヤーPhoto/GettyImages

開催国のアメリカも守備の強度が高く、マイボールになると素早くゴールを目指す。昨年9月には日本代表と戦い、FWアレハンドロ・センデハス(クラブ・アメリカ)、FWフォラリン・バログン(モナコ)の得点で2-0と勝利している。統率の取れた[3-4-3]は攻守のバランスが良く、正確なパスワークで日本のプレスをかわしていた。

その後の強化試合では偶然にもオーストラリア、パラグアイと戦っている。結果はどちらも2-1で勝利しており、これはアメリカにとって好材料となる。FWクリスティアン・プリシッチ(ミラン)、FWハジ・ライト(コヴェントリー)、FWティモシー・ウェア(マルセイユ)、MFウェストン・マッケニー(ユヴェントス)など攻撃陣のコマは揃っており、得点力はある。

懸念されるのは守備面で、2026年を迎えてベルギー、ポルトガルと強化試合を行い、それぞれ2-5、0-2で敗れている。大観衆の熱気に押されて前のめりになって攻めてしまうと、裏を取られるシーンが出てくるかもしれない。経験豊富なマウリシオ・ポチェッティーノ監督のチームコントロール、マネジメントが勝敗のカギを握るか。

オーストラリアは得点力があるチームではない。ホームで競り勝ったアジア予選の日本戦(1-0)のように、CBのキャメロン・バージェス(スウォンジー)を中心に失点しないように耐えてチャンスを待ち、少ない決定機を得点につなげたいところだ。守備面で気になるのはDFハリー・サウター(シェフィールド・ユナイテッド)の状況だ。

大きな身体を持つ守備の要だったが、2024年12月にアキレス腱断裂の大ケガを負ってしまった。現在は復帰してW杯出場に向けてコンディションを整えているが、果たして間に合うのか。バージェス、サウターで固めるゴール前は高さ&強さがあり、そう簡単に突破できるものではない。もし間に合ったなら、オーストラリアにとって大きなプラスになる。

パラグアイにもグスタボ・ゴメス(パルメイラス)、オマル・アルデレーテ(サンダーランド)という2人の屈強なCBがいる。南米予選は6位通過だったが、18試合10失点はエクアドルに続く少なさで、首位通過したアルゼンチンと並ぶ数字だ。パラグアイの堅守速攻はもはや伝統芸で、これにやられるチームは多い。グループリーグが終わってみたら、パラグアイが2位や3位で通過しているかもしれない。


文/飯塚健司

※電子マガジンtheWORLD317号、5月15日配信の記事より転載

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