若返ったドイツ 3大会連続のGL敗退は許されない
ドイツの若きアタッカー、ヴィルツやヴォルテマーデらにとって初のW杯だPhoto/GettyImages
グループEは大会初出場で注目されたキュラソー代表が組み込まれたグループだが、ドイツ代表、コートジボワール代表、エクアドル代表とその他の3カ国は実力のあるチームが揃っている。全グループを見渡しても厳しいほうで、なかなか読みの難しい組み合わせとなっている。
もっとも突破の可能性が高そうなのはもちろんドイツだが、近年はあまり国際大会で目立った成績を残していない。
ユリアン・ナーゲルスマン監督率いるチームは2年前のEUROと比べてもまた若返っており、経験値という面で不安を残しているのも確かだ。EUROでは代表復帰したトニ・クロースの力を借りるという形でチームをまとめたが、そのクロースもマヌエル・ノイアーももういない。加えてセルジュ・ニャブリも負傷のため欠場することになった。
とりわけ前線はフロリアン・ヴィルツ(リヴァプール)、ジャマル・ムシアラ(バイエルン)、ニック・ヴォルテマーデ(ニューカッスル)と若めのタレントが多く、大会経験者はムシアラとカイ・ハフェルツ(アーセナル)くらいになりそうだ。このあたりも優勝候補として名前が挙がらない理由かもしれない。しかしドイツが躍進した2010年大会のチームも決して下馬評は高くなかったが、若きトーマス・ミュラーやメスト・エジルらの活躍で3位と躍進し、次回2014年の優勝へとつながった。今大会も評判を覆す躍進に期待したいところだ。
注目の初戦は予選最少失点同士の対決
エクアドルの中心はカイセド。ボール奪取からの展開が鍵を握るPhoto/GettyImages
対抗馬とみられるコートジボワールは、若手からベテランまでバランスよく揃ったタレント軍団であり、アフリカ予選グループFを無敗・無失点、かつアフリカ出場国中最多得点で突破した。
基本は[4-3-3]で、オディロン・コスヌ(アタランタ)とエヴァン・エンディカ(ローマ)のCBコンビ、フランク・ケシエ(アル・アハリ)やイブラヒム・サンガレ(ノッティンガム・フォレスト)らハードワークを厭わない中盤を揃えている。崩すのが容易でないチームだ。ウイングには今季ブンデスリーガで12得点7アシストと猛威をふるうヤン・ディオマンデ(ライプツィヒ)らがいる。予選では攻撃的に振る舞っていたが、守りを固めてカウンターという形にこそハマりそうな人材が揃っているのも興味深い。
エクアドルもまた堅守が目を惹くチームで、過酷な南米予選を2位で通過してきた。しかも前回予選のペナルティによる勝ち点-3を受け入れての結果だ。
敗戦数2は南米予選で最少。得点数14も突破国中最少なら、失点数5も最少。しかし、固めて守るだけのチームではない。セバスティアン・ベッカセセ監督は現在ウルグアイ代表を率いるマルセロ・ビエルサを師と仰ぎ、高強度のプレッシングからの鋭い攻撃を得意としている。
チームの中心はモイセス・カイセド(チェルシー)。高いボール奪取力はそのまま攻撃の脅威につながる。
コートジボワールとエクアドルはいきなり初戦で激突する。堅守を誇る両国のどちらが勝利するかが、そのままグループEの結果を左右すると言っても過言ではないだろう。
最後にキュラソーだが、残念ながら先述の3チームの草刈り場となってしまいそうだ。本大会出場に導いた経験豊富なディック・アドフォカート監督は、病気の娘の面倒を見たいという理由で辞任したが、5月に異例の再就任と人事も二転三転。帰化選手を数多く組み込むことで強化を図り、念願のW杯本大会出場を勝ち取ったが、目標は1勝を挙げることだろう。とはいえ、本番では何があるかわからない。人口わずか18万人の大会史上最小国がどこまで健闘できるか、期待したい。
文/前田 亮
※電子マガジンtheWORLD317号、5月15日配信の記事より転載

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