長野県内を走るしなの鉄道では、JR東日本から譲り受けた115系電車が運行されています。115系は国鉄時代に山岳路線用の近郊型電車として製造されたもので、首都圏では東北本線(宇都宮線)や高崎線、中央本線などで使用されていました。
JR東日本の115系はすでに引退し、一部の車両が青梅鉄道公園(東京都青梅市)で保存されていますが、しなの鉄道では現役です。115系は、JR西日本に継承された車両が最後の活躍をしていますが、S編成とも呼ばれるしなの鉄道の115系は首都圏で一番近い場所を走っています。
しかしそのしなの鉄道でも新車の導入が進んでおり、115系は2028年度中に完全に引退する予定です。その引退を前に、115系は塗装を復刻した編成も運転されています。2026年時点ではどのような塗装の車両が残っているのでしょうか。
2026年4月時点で、しなの鉄道の115系は3両編成4本が残っています。しなの鉄道は、1997(平成9)年の長野行新幹線(北陸新幹線)の開業時にJR信越本線の一部を移管させた第三セクター鉄道です。この際に信越本線などで使用されていた115系などをJR東日本から譲り受けました。譲り受けた後は、赤や灰色などを組み合わせたオリジナルの塗装に塗り替えていました。
このしなの鉄道のオリジナル塗装編成は2026年3月に引退したため、以後は塗装変更が行われた湘南色のS3編成、初代長野色のS7編成、新長野色のS11編成と、観光列車「ろくもん」のS8編成だけが残っています。
編成ごとに塗装が異なる115系湘南色は緑2号と黄かん色のツートンカラーです。国鉄時代の115系で多く採用され、東北・高崎線や高崎地区、岡山・広島地区なども昔は湘南色でした。
初代長野色は1989(平成元)年に登場したもので、長野地区を走る115系などに塗られていました。アイボリーホワイトを基に、信州の緑と紅葉の赤をイメージした帯色が添えられています。S7編成は2017年に初代長野色となりましたが、この編成もJR時代に初代長野色に塗り替えられた経歴があるため、復刻されたことになります。
観光列車「ろくもん」は、しなの鉄道の沿線の魅力を発信する列車として改造されたもので、水戸岡鋭治さん(ドーンデザイン研究所)のデザインでも知られています。外観は、沿線に縁のある武将・真田幸村の赤備えにちなんだ濃い赤。車内は長野県産の木材を使った内装で、車両によって個室風の座席やカウンター席、ソファ席などが用意され、乗車プランによっては食事の提供も行われています。
「ろくもん」は2014(平成26)年の登場で、しなの鉄道の115系の塗装変更としては最初といえるのかもしれません。
新長野色は1992(平成4)年から導入され、初代長野色に代わる形で順次塗り替えが行われました。灰色系のフォギーグレーを基に、窓まわりをアドバンスブルー、窓の下の細い帯色をリフレッシュグリーンとしたものです。S11編成は2025年に新長野色が復刻されていますが、以前は別の編成に塗られていました。しなの鉄道の115系がJR東日本から譲渡された当初は新長野色で、順次オリジナルの塗装に塗り替えた経緯があります。
しなの鉄道の115系は2028年に引退する予定ですが、「ろくもん」は2029年3月の引退と報道されています。どの塗装の115系が最後まで残るのか、注目されるところです。

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