この記事をまとめると
■日本中に存在する珍しい形状をした信号機を4つ紹介



■縦型に4方向へ点灯する信号機や文字を点滅させる信号機などユニークなものが存在



■特定の地域、エリアだけに存在するモノが多い



「青」「黄」「赤」だけじゃない信号機の世界

私たちが日々、安全で潤滑な交通社会に身を置くために、絶対に欠かせないもののひとつが「信号機」です。1919年に、東京・上野広小路交差点で「トマレ」「ススメ」と書かれた木製の板を回転させて使用したのが、日本における信号機の元祖といわれています。その後、1920年代にアメリカのデトロイトで赤・黄色・緑の3色に光る電気式の信号機が設置されるようになり、1930年に東京・日比谷交差点に初めて設置されました。

それまでは、警官が手信号で交通整理をするのが一般的でしたので、さぞ画期的だったでしょうね。



ただし、現在でも欧米ではタテ型の信号機が主流となっているように、この日比谷交差点の信号機もタテ型でした。今のようにヨコ型の信号機が設置されるようになった背景には、街路樹や看板が多い街なかでも見やすいようにするためだといわれています。そんな事情もあり、日本では全国的にヨコ型の信号機が普及していきましたが、じつはよくよく見ると、少しずつデザインや素材などが違うものがあることに気づいていましたか?



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日本の信号機はさまざまなメーカーが製造しており、地域や年代によっても変わってきているのです。信号機における日本三大メーカーと言われているのが、「日本信号」「小糸工業(コイト電工)」「京三製作所」。たとえば昭和40年代までは、丸い灯器が並ぶベースとなる板が完全なる角形だったのが、平成にかけて角が丸みを帯びたものに変わっていたり、フードがつく・つかない、色が濃い・薄いといった違いも見て取れます。

また、視認性を上げるためにゼブラ模様の板が付いているものがあったり、板の存在がほとんどないタイプもあり、なかには「かまぼこ形」「おまる灯器」といった通称まで生まれた信号機も。



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通称「おまる灯器」と呼ばれる信号機



見つけたら思わず写真を撮りたくなる!

そして全国的に見ても、とても珍しい信号機が設置されているところもあります。まずは、滋賀県長浜市などで見られる、集約灯器と呼ばれる京三製作所の信号機。これはまるで傘をかぶったミノムシのように、タテ型の信号機が4つ集約されているもので、柱を4つ設置するスペースが取れないため、4方向分の信号機が一体となっているものです。集約型としては、ヨコ型の信号機がまるでドローンのように4方向に一体化されている小糸工業のものもあります。



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集約灯器と呼ばれる京三製作所の信号機



続いて石川県や福井県で見られるのが、通常のヨコ型の信号機を改造して、「とまれ」という文字が赤く点灯するようになっているもの。

これは通常の「止まれ」の標識と並んで設置されていることが多く、車両を感知すると赤い「とまれ」の文字が点滅し、注意を促します。



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「とまれ」という文字が赤く点灯するようになっている信号機



つぎに、信号といえば赤・黄色・緑なのに、「赤・黄色・黄色」? とびっくりしてしまうのが、山梨県南都留郡に設置されている信号。これは変則的な交差点で側道からの合流が必要な形状となっているため、緑ではなく黄色を点滅させて注意して進むよう促しているとのこと。そのため信号機には「側道車専用」と書かれています。



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「赤・黄色・黄色」という配色の信号機



最後に紹介するのは、色は赤・黄色・緑の3色なのですが、なぜか緑だけが丸く点灯せず、矢印になっている信号。これは和歌山県和歌山市などの、一部地域で見ることができます。

矢印信号というと、赤信号と同時に緑の矢印が点灯するのが一般的なのですが、ここでは赤信号は点灯しません。というのは、T字路で左折しかできない道路となっているので、わかりやすくするためではないかといわれています。



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矢印信号のイメージ



ということで、初めてドライブに出かけた土地などでは、まだ見たことのない信号機に出会えるかもしれませんので、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。