この記事をまとめると
■最近のクルマには電子制御技術が数多く投入されており自動運転化も進んでいる



■過激なスポーツモデルでなくとも運転の楽しさを味わえるモデルはまだ新車で多く存在する



■運転が楽しいと感じられる国産車を5モデル紹介する



パワーがなくても運転が楽しいクルマたち

ABSやトラクションコントロール、ESPといった電子制御技術が当たり前に搭載されるようになり、ひと昔前と比べても安全性能や運転しやすさが飛躍的に向上している最近のクルマたち。近年ではマツダのGベクタリングコントロールやホンダのアジャイルハンドリングシステムといった、運転が上手くなったように感じられる制御をさらりとやってくれるクルマも増えています。日本ではすでに自動運転レベル3まで一般道での走行が実現しており、レベル4もそう遠くない将来に実現するといわれています。



運転支援だらけで運転がつまらない……なんて感じてないか? あ...の画像はこちら >>



そうなると、自分で運転を楽しみたい人にとってはその楽しみを奪われてしまうのでは? と心配になりますよね。それなら今のうちに、余計な電子制御技術の介入を感じず、自分が操っている感覚を存分に楽しむことができるクルマに乗っておきませんか? 今回は素直に運転する歓びを感じられる、おすすめの現行車をご紹介します。



まず1台目は、もはや日本の宝といってもいい、運転の基本からスポーツドライビングまで、幅広く学ぶことができるライトウエイトオープンスポーツ、マツダ・ロードスター。4代目となる現行モデルは、先代でパワーや安全性能アップに肩入れして大きく重くなってしまったことをリセットし、初代のころの基本にもう一度立ち返って開発した1台。



運転支援だらけで運転がつまらない……なんて感じてないか? あるぞ「クルマとガッツリ対話できる」運転の楽しいクルマ5台
マツダ・ロードスター



1.5リッターガソリンエンジン+6速MTモデルはとくに、軽量であることのよさと、思いどおりに操ることの難しさと楽しさを教えてくれる、清々しいドライブフィールに仕上がっています。2023年10月の大幅改良でADASやコネクテッド技術の搭載が大きなニュースになりましたが、あくまでドライバーの意思を尊重し、なるべく素の状態での運転が堪能できるようになっています。



2台目は、新型になってスタイリッシュに変身したスズキ・スイフト。「走り」というとどうしてもスイフトスポーツが注目されがちですが、じつはスイフトはノーマルモデルにもMTがあり、操る楽しさが味わえるモデルです。その理由は運転席に座っただけでもわかります。



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スズキ・スイフト



シートは身体を包み込んでフィットする新形状となり、センターパネルはやや運転席側に傾斜して、操作に集中できるように。1.2リッターの3気筒エンジンはマイルドハイブリッドになりましたが、モーターアシストはあくまで自然なフィーリングなので、走らされているような違和感はなし。曲がる、止まるといったクルマの基本性能が、自分の手足の延長となるような楽しさが魅力です。



スポーツグレードじゃないモデルも狙い目!

3台目は、11代目となったホンダ・シビック。こちらも「走り」と聞くとTYPE Rが真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、先に発売された1.5リッター直噴ターボ+6速MTのガソリンモデルは、素の走りを楽しめるモデルに仕上がっています。



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ホンダ・シビック



加速に応じてリニアなエンジンサウンドが響いてくるところや、爽快に吹き上がっていく直線、バランスのいい挙動でカーブを抜けていくシーンなど、何度も体験したくなってくるほど。ショートストローク化された6速MTの小気味いい操作感も、気分を盛り立ててくれます。



4台目は、WRCをはじめモータースポーツで活躍中のGRヤリスが走りのイメージを牽引する、トヨタ・ヤリス。1リッターと1.5リッターのガソリンモデルがあり、とくに1.5リッターには6速MTが設定されており、操る楽しさが味わえるモデルとなっています。

トヨタ自慢のダイナミックフォースエンジンは、低速から中速への盛り上がりが強く、シフト操作もコクコクとよく決まります。



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トヨタ・ヤリス



ねじり剛性をしっかり確保したボディや、カローラと同等レベルのサスペンションで、コーナリング時も安心して駆け抜けていけるのも楽しさのひとつ。市街地を走っているだけで、キビキビとしたスポーティな挙動が満喫できるはずです。



5台目は、軽自動車では唯一となってしまったオープンスポーツカーのダイハツ・コペン。2代目となった現行モデルは、着脱可能な外板パネルで着せ替えができる「ドレスフォーメーション」採用が話題となりましたが、電動アクティブトップで座ったままボタン1つで開け閉めできるルーフを備える、小さな本格オープンカーです。



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ダイハツ・コペン



パワートレインはもちろん、軽自動車規格で64馬力/92Nmの0.6リッター3気筒ターボですが、発進からドカンと押されるような力強い加速フィール。

でも上り坂ではちょっと気を抜くと押し戻されるような失速感があるし、コーナリングでも回転を落とし過ぎれば再加速が遅くなり、ロスしてしまうなどドライバーの腕次第で気もちよく走れたり、モタモタしたり、クルマがカバーしてくれないのがいいところ。それらのコツをつかみ、思いどおりに操れるようになるのが楽しみの1つともいえる、今では貴重なクルマです。



ということで、クルマがどんどん便利に安全になっていくのはいいことであると感じる反面、運転する楽しさ、操る一体感を感じられるクルマはどんどん減っていくような気がしますね。まだ今なら間に合うので、もっともっと多くの人にそんな楽しさを味わってほしいと思います。