選ぶべきグレードは6人乗りのプレミアム

アジア向けハイエースをベースに、日本専用の上級送迎車として開発されたのがグランエースだ。グレードは、2/3列目席にアルヴェルのエグゼクティブパワーシートを4脚奢った3列6人乗りのプレミアムと、2列目席にアルヴェルのエグゼクティブパワーシート、3列目席にアルヴェルのリラックスキャプテンシート、3列目席に6:4分割チップアップシートの構成となる4列8人乗りのGがある。



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パワーユニットは共通で、2.8リッター直噴ディーゼルターボ、177馬力、46.1kg-m+6速AT(WLTCモード10.0km/L)。

駆動方式はFR。最新の先進安全運転支援機能=トヨタセーフティセンスはもちろん、専用通信機標準装備によるコネクティッド機能、SOSコールまで用意しているあたりは、最新のアルヴェルと変わらない。



ただし、乗用ミニバン、ファミリーミニバンとして使う場合は注意が必要だ。まず、選ぶべきグレードはプレミアム。これなら6人乗りにはなるものの、アルヴェル以上の全席の贅沢感、高級感、快適感、および足元スペースに余裕ある後席居住性が約束される。とくに3列目席の居住性に関しては、アルヴェルを大きく上まわるほどだ。



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しかも、2/3列目席のエグゼクティブパワーシートは、タフなハイエースベースによる基本骨格構造の違いと、シートレールの幅広化によって、アルヴェルよりもシート振動が低減されているという、意外なるメリットさえあるのだ。



自宅の駐車スペースでドアが開けられるかも要確認!

一方、4列8人乗りのGグレードの後席は、2/3列目席のシートこそ立派なものの、後席全列ともに、足もとスペースは一気に狭くなる。それはそうだろう。プレミアムグレードと同じボディ、ホイールベース、室内空間に4列8席ものシートをレイアウトしているのだから。こちらは完全なる上級送迎車と言っていい。せっかくエグゼクティブパワーシート、リラックスキャプテンシートを配置しても、足もとが狭ければ、贅沢な着座感など味わえないのである。



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しかも、動力性能はディーゼルエンジンのトルクを生かした、街乗りメインの走りやすさを重視した狙いから、ごく穏やか。8人もの大人を乗せたとしたら、パワー不足は否めないと考えていい(8人乗車でテスト走行をしたわけではないが)。



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もうひとつ、プレミアムグレードでも注意したいのが、乗降性。やはり、アジア向けハイエースがベースだけにフロアは高い。1列目席でステップ地上高約39cm、フロア地上高約63cm。スライドドア部分もステップ地上高約41cm、フロア地上高約65cm! アルヴェルが同約39cm、49cm、35cm、45cmだから、乗車時のよじ登り感は否めない。ファミリーミニバンとして使い、家族に足腰が弱ったお年寄りがいるような場合などは、より乗り降りしやすいアルヴェルを選んだほうが正解だろう。



そして、あくまで上級送迎車だからラゲッジスペースは最小限。アウトドアなどの大荷物を積み込むのは苦手と言っていい。



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また、基本的なことだが、グランエースはデカイ。視界が高く、横方向の見切りがよく、最小回転半径が5.6mと小回りが利き、比較的広い道の走行なら、意外なほど運転がしやすく感じるのはいいとして、堂々とした車格感あるボディは、アルヴェルを大きくしのぐ全長5300mm、全幅1970mm、全高1990mm、ホイールベース3210mmというビッグサイズだから、自宅の駐車スペースでフロントドアが開けられるか、普段使う生活道路で車幅を気にせず走行できるかも、あらかじめ検証しておくことが必要になる。



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上級送迎車であるゆえ、ボディカラーも地味でフォーマルなブラック、グレーメタリック、ホワイトパール、シルバーメタリックの4色しかないことも、である。



グランエースのプレミアムグレードの後席は、ミニバンとしても最上級のプレミアムな居住性を提供してくれることは間違いないが、ファミリーユーザーは、あくまでショーファーカー、上級送迎車として開発されていることを念頭に置いて検討してほしい。購入したのはいいが、大きすぎて手に余り、すぐに手放すことになった……では、650万円という価格もあって、シャレにならない。

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