【アンダーグラフ / インタビュー】なつかしさじゃない、“いま”がこの歌を選んだ ──  名曲「ツバサ」「遠き日」が現代の心に届きリバイバルヒットへ
アンダーグラフ



PR Text:森朋之

2024年にデビュー20周年を迎えたアンダーグラフが、再び大きな注目を集めている。 きっかけはデビュー曲「ツバサ」のリバイバルヒットだ。

2024年9月に再レコーディングした「ツバサ(Re-recorded)」をリリースし、今年1月にMVを発表したことでこの楽曲に対する評価が再燃。YouTubeの公式サイトには「アラフォーとか物凄い大人やと思ってたけど、気持ちは正直この頃と何も変わらん」「最近の曲には無い刺さり方する神曲「無職転生」ってアニメで初めて聞いて涙出た」などのコメントが数多く並び、幅広い層のリスナーに強く刺さっていることが伝わってくる。





5月1日(金)には、映画『私の頭の中の消しゴム』(日本公開2005年)の日本版イメージソングとして知られる楽曲「遠き日」の“Re-recorded”バージョンを発表。さらに東名阪ツアー『Live House Tour 2026 ~土から空へ~』も開催され、秋にはフルアルバムのリリースも控えているアンダーグラフ。大きなターニングポイントに差し掛かったバンドの現状について、真戸原直人(vo,g)、中原一真(b)、谷口奈穂子(ds)に聞いた。



── 今年に入ってから「ツバサ」がリバイバルヒット。この現象、みなさんはどう捉えていますか?



真戸原直人(vo,g) ビックリですね。一昨年、再レコーディングしてリリースしたんですけど、1年半くらい経って、ようやくMVが完成して。僕らとしては「いい記念になった」くらいの感じだったんですけど、YouTubeにアップしたらコメント数がすごいことになってたんですよ。普段はあまり見ないんですけど、「コメントが2000を超えてる。同窓会みたいになってる」と言われて、全部読みました。本当にうれしい言葉がいっぱい並んでいて、「続けてきてよかったな」と思いましたね。



中原一真(b) デビューしたときも「曲を聴いてもらえれば伝わるはず」と思っていたんですよね。実際ジワジワと聴いてもらえるようになったんですけど、今回もそれに近い感じがあって。(「ツバサ(Re-recorded)」)リリースしてしばらく経って、MVをアップしてからたくさんの方に聴いてもらえたので。「初めて聴いたけど、いい曲」とか「親が聴いてました」とコメントしてくれる方もいたし、当時聴いてくれてた人の心にちゃんと残っていることも再確認できたというか。やっぱりすごい曲なのかもしれないなと改めて思いました。



谷口奈穂子(ds) デビューのときはみなさんと自分たちを出会わせてくれて、20年経って、またいろんな方とつなげてくれて。そういう力を持った曲なんだなって思わざるを得ないですね。



── 「ツバサ」はアンダーグラフの代表曲。ライブでもずっと披露されていると思いますが、当時と現在でこの曲に対する感覚も変化しているのでは?



真戸原 「ツバサ」を作ったときは4人だったんですよ。イントロやソロはギターの阿佐(阿佐亮介)が作ったんですけど、彼が14年前に脱退したあとは、僕がギターを練習してそのパートを弾くようになって。最初は結構大変だったし、「やりたくないな」と思ったこともあったんですよ。ちょうどその頃に西城秀樹さんに相談したことがあるんですけど、「僕も“YMCA”を歌いたくない時期があったけど、それでもやらなきゃいけないんだよ」と言ってもらって。

そこから「もっと上手く演奏できるようになろう」と思うようになったんですよね。なので3人でレコーディングした「ツバサ(Re-recorded)」が受け入れられたのは本当にうれしいです。当時の「ツバサ」のMVは、長澤まさみさんが出演してくれたんです。めちゃくちゃありがたいことなんですけど、「そのおかげで売れたのかな」みたいな気持ちもあったり(笑)。なので、新録した「ツバサ」がたくさんの人に聴かれたことで、やっぱりいい曲やったんだと実感できました。



『ツバサ』 / アンダーグラフ



── そして、5月1日(金)には「遠き日 (Re-recorded)」がシングルカットされます。このバージョンも「ツバサ」(Re-recorded)」と同じく、2024年にリリースされたベストアルバム『UNDER GRAPH Debut 20th Anniversary Album』に収録されていました。



真戸原 はい。「遠き日」は、2005年にリリースしたシングルなんですけど、MVを撮ってなくて。「ツバサ」のMVがこれだけ広がったんだから、「遠き日」もちゃんと映像にしようということになりました。もともとは韓国映画『私の頭の中の消しゴム』のイメージソングとして制作した曲で。若年性アルツハイマーをテーマにした映画なんですけど、実際に映画を観させていただいて、めちゃくちゃ感動したんです。

ただシリアスなテーマだし、最初は「知識もないし、自分には書けないです」って言ったんです。



中原 「インストのほうがいいよな」って話したのを覚えてます(笑)。



真戸原 話が無くなるかと思いきや、「では、勉強してください」と言われまして。近所の図書館でアルツハイマーに関する文献を探したら、奥さんが認知症になった男性の手記があって。それを読みながら、自分のなかで想像を膨らませて書いた曲です。



中原 曲が出来てからは、「これにいちばん合うプレイをしよう」と切り替えました。盛り上げるところはしっかり盛り上げて、ある程度の派手さも意識して。いろいろ試行錯誤しました。



── 再録バージョンもアレンジは原曲に沿ってますよね。



中原 そうですね。僕自身ライブを観に行って、好きな曲のギターソロが変わってたらちょっとイヤだなと思うタイプで(笑)。なのでアレンジは変えてないんですけど、当時よりも余裕を持って弾いているし、少しは音楽的に聴いてもらえるんじゃないかなと。



真戸原 ライブでもずっと演奏してましたからね。ただ、ライブではかなりテンポが遅くなってたんです。思いを込めて歌えば歌うほど、テンポがゆっくりになってしまって。再録にあたっては、もともとのテンポで演奏するように気を付けました。



── リズムパターンも特徴的。



谷口 「遠き日」を作ってた頃は、ほかの人がやらないようなパターンをずっと考えてたんです。なのでけっこう奇抜なフレーズが多いんですけど、この曲もしかりで。



真戸原 そうやな(笑)。



谷口 ボーカルのメロディとぶつかってる感じもあったし、アレンジャーの島田昌典さんにも「もうちょっと平坦なフレーズのほうがいいかもね」みたいに言われて(笑)。ギターのイントロもリズムに合わせて作ったし、結局はそのままいかせてもらいました。今だったらこういうフレーズは叩かないかもしれないけど、「なかなか秀逸なフレーズだな」と思うし、再録でもまったく同じように叩いてます。



── <変わる季節越えた二人 / 戻れない記憶の向こう>もそうですが、叙情豊かなリリックも印象的。

曲を書いたときから、時間が経っても色あせない表現を心がけていたのでは?



真戸原 そうかもしれないです。バンドを組んだときから「日本語で書く」というのは決めていたし、流行り言葉もできるだけ使わないようにして。たとえば、“携帯のアンテナ伸ばして”みたいな歌詞を書いたら、年齢を重ねたときに歌うのがきつくなるかなと思っていたので。



── 今になって「この歌詞は違うかな」みたいな違和感を覚えることもない?



真戸原 ひとつだけあるんですよ。「パーソナルワールド」という曲に〈40を過ぎても僕らは歌って踊って何かを探してるのかな〉という歌詞があって。20代のときに書いたんですけど、とっくに40歳を過ぎてしまったという(笑)。



── 40過ぎてそのフレーズを歌うのは、素晴らしいことだと思います! そして5月下旬には東名阪ツアー『Live House Tour 2026 ~土から空へ~』が開催されます。「ツバサ」のリバイバルヒットによって、久しぶりに会場に足を運ぶ方も多そうですね。



真戸原 多少はあると思います。3月に“再会”というテーマで配信ライブをやったんですけど(「再会~ちゃんと、ここで待っていたよ。~」)、久しぶりに僕らのライブを観てくれた人もいるだろうし、「親が聴いてた」という若い人もいて。「ツバサ」という曲は知ってるけど、アンダーグラフをよく知らないという人もいらっしゃるみたいなんですよ。



中原 曲って独り歩きするんやなって(笑)。



真戸原 なので今回のツアーでも、僕らのいろんな側面を見てもらえるようなライブをやりたいと思っています。“土から空へ”というテーマはだいぶ前から決めてたんです。“土臭いロックから、空に舞い上がるような浮遊感のある曲まで”というイメージで、ちょっと哲学的なところもあるんですけど、せっかく「ツバサ」をたくさんの人に聴いてもらったので、そういう曲も織り交ぜていきたいなと。20年間、同じ時代を生きてきた人たちも来てくれるだろうし、「ここからまた一緒に行こうぜ」という出発点になるようなツアーになればいいなと思ってます。



中原 インディーズの頃やメジャーデビュー当初は「曲は好きだけど、ライブハウスに行くのがこわい」という方がけっこういらっしゃって。全然そんなことないので、ぜひ遊びにきてほしいです。“この曲ではこんな振付け”とかもないし、好きなように楽しんでもらえたらなと。



谷口 ツアーで名古屋に行くのはかなり久しぶりなんです。発表したときに「待ってたよ!」という反応をいただいて、うれしかったですね。



── これまでもずっとライブを軸にした活動を続けてきましたからね。現在はニューアルバムに向けた制作に入っているとか。



真戸原 1週間後くらいに8曲分のドラムを録る予定です。



谷口 がんばります(笑)。



真戸原 今はいろんなことが便利になってるし、それもすごくいいことだなと思うんですけど、バンドに関してはずっと変わらないというか。生音ならではの迫力みたいなものを大事にしたいと思っています。自分たちで機材を持ち込んで、セッティングして、演奏して。それが自分たちの形なのかなと。とにかく人間くさいことをやりたいんですよね、今は。



『Live House Tour 2026 ~土から空へ~』ティザー









<リリース情報>
Digital Single
「遠き日(Re-recorded)」



5月1日(金)リリース
配信リンク:https://linkco.re/2VXUg9pE



「遠き日(Re-recorded)」 / アンダーグラフ 5月1日(金) 21:00~プレミア公開



<配信情報>
「ツバサ(Re-recorded)」



配信中
配信リンク:https://linkco.re/Sun8CXUr?lang=ja



<ライブ情報>
『Live House Tour 2026 ~土から空へ~』



5月22日(金) 大阪・ROCKTOWN
開場18:30 / 開演19:00





5月23日(土) 愛知・CIRCUS NAGOYA
開場 17:00 / 開演 17:30





5月29日(金) 東京・AOYAMA 月見ル君想フ
開場18:30 / 開演 19:00





【チケット情報】
前売:5,500円
https://w.pia.jp/t/under-graph-tour2026/



アンダーグラフ オフィシャルサイト

https://under-graph.com/



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