2026年6月24日、中国メディア・観察者網は、戦略物資である銅の精錬能力で圧倒的なシェアを握る中国に対し、米国が依存脱却を急ぐも困難に直面していると報じた。

記事は、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの24日付報道を引用。

まず、銅が人工知能(AI)を支えるサーバーの動力源であるとともに、電気自動車(EV)のバッテリー、現代兵器の誘導電子機器に不可欠な材料であるとし、米中がAIやエネルギーなどの戦略的分野で争う中で銅資源をめぐる「目立たないが重要な競争」が展開されていると報じたことを伝えた。

その上で、現在中国が世界の銅精錬および溶錬能力の52%以上を支配し、世界の上位5つの精錬施設のうち4つを所有する圧倒的優位にあると指摘。かつて業界を支配していた米国では稼働中の溶錬所が16カ所から2カ所にまで激減しており、サプライチェーンにおける米国の脆弱(ぜいじゃく)性が増しているとした。

また、トランプ米政権が銅の輸入を国家安全保障への脅威と見なし、輸入精錬銅への最大30%の新関税賦課を検討するなど、産業保護と中国依存からの脱却を図っていることに言及。米国政府が主要プロジェクトへの支援を開始したものの、認可プロセスが煩雑であることなどから国内の採掘・溶錬プロジェクトが稼働するまでには平均19.1年かかるという試算結果を紹介した。

そして、世界資源研究所(WRI)のルーク・バレニー氏が、米国の政策は受動的かつ断片的であり、一貫した銅産業戦略が欠けていると指摘したことを伝えている。

記事は、AIデータセンターによる需要急増の中で世界の銅市場が供給不足に陥る兆しを見せているとした上で、経済調査会社ロジウム・グループのローガン・クイン氏が、「米国は輸入関税を課せば銅を多用する産業に対する事実上の増税となり、国内産業が高コストのリスクにさらされることになる」と述べ、米国が銅の調達で大きなジレンマを抱えているとの見方を示したことを紹介した。(編集・翻訳/川尻)

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