中国商務部は22日、米国企業10社を輸出管理リストに追加したと発表した。軍民両用(デュアルユース)製品の輸出を原則禁止する。
AFP通信などによると、先に仕掛けたのは米国側。国防総省は8日、アリババのほか中国最大インターネット検索ポータルの百度(バイドゥ)、電気自動車(EV)製造企業のBYDやNIOなど80社を新たに「中国軍事企業」リストに含めたと公表した。米国で活動する企業が対象で、毎年公表している。リストに掲載された企業は「中国軍事企業」とみなされ、国防総省との取引が制限される。
これに対し、中国外交部の 林剣報道官は9日の記者会見で、「米国が差別的なリストを作成し、中国企業を不当に弾圧することに断固として反対する」と述べ、対抗措置の発動を示唆。22日になって商務部は国防およびレアアース(希土類)採掘に関わる米企業10社に対し、軍民両用品目輸出規制を課した。
商務部は声明で「米国政府がいわゆる『中国軍事企業リスト』に(中国企業を)追加するという目に余る行為に及んだことへの対抗措置」であるとし、さらに今回の決定は「国家安全保障を守るため」とも付け加えた。
規制対象となった10社には米軍と航空宇宙防衛分野での契約を結んでいる「Aveox」や軍用車両を製造する「オシュコシュ・ディフェンス(Oshkosh Defense)」などが含まれている。
商務部は今回の報復で台湾とレアアースを標的にした。ドローン製作企業のレッドキャットやティールドローン、レーダー製造企業のIMSAR、海洋ドローン・防衛システム企業のガイア・ロボティクスやL3ハリスなど制裁対象となった10社のうち8社が台湾防衛に関わる軍事サプライチェーンと関連している。業界関係者らは今回の制裁が台湾に武器を販売する企業への報復性を帯びていると指摘した。
さらに財政部も政府調達に関わる政府機関に対し、ロッキード・マーチンやレイセオン、ボーイングの防衛部門など米企業46社が製造する製品の購入を禁止すると発表した。中国国内に米国の投資を受けて設立された企業は今回の禁止措置から除外された。
上海のコンサルティング会社タイダルウェーブの共同経営者キャメロン・ジョンソン氏は香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」に対し、「現在米国で議論されている中国のオープンソースAI(人工知能)ツールをターゲットにした制裁など潜在的な制裁に対する警告だ」と言及。「米国の追加制裁を防ぐための事前警告で、9月の習近平国家主席の米国訪問を控え、米中両国が交渉カードを増やしている」との見方を示した。(編集/日向)











