越境操業を理由に韓国海洋警察に身柄を拘束された中国人漁船員が急性アルコール中毒で死亡したことが分かった。死亡した漁船員は取り締まりを受ける前に酒を大量に飲んでいた。
事件発生は5月8日夜だった。摘発された中国漁船は木造で、10人が乗り込んでいた。韓国の白翎島の西の沖合で操業して、夜になったので乗組員は食事をしていた。死亡した秦帥克さんは、甲板の船尾部分で食事をし、酒も飲んでいた。船室内で食事をしていた乗組員のLさんによると、甲板で酒を飲みながら大騒ぎをしている声が聞こえてきた。夜になり乗組員が酒を飲むことは珍しくないという。
Lさんによると、午後8時ごろになり、甲板で騒動が発生している音が聞こえた。そこで甲板に出たところ、韓国海洋警察の数人の警察官が、武器を手にして乗り込んできたことが分かった。船内にいた全員は甲板に集められ、しゃがんで動かないことを強要された。
ただし秦帥克さんはしゃがまずに横たわっていた。周囲の人が異常を察して確認したところ、呼んでも反応がなく、いびきもしていなかった。そこで通訳を介して警察官に、「飲みすぎて様子がおかしい。応急処置が必要だ」と伝えたが、警察官は取り合わなかった。Lさんによると、仲間の乗組員は前後6回、応急処置を求めた。
中国人乗組員はその後、韓国側の別の船に移され、船内の食堂に監禁された。秦帥克さんは依然として意識がなかった。乗組員は順番に取り調べを受けたが、秦帥克さんはやはり反応しなかった。この時になって初めて、医師が呼ばれた。医師は心肺蘇生を試み、秦帥克さんは口から白い泡を吐いた。秦帥克さんはさらに、別の船に移され、5日午前0時44分ごろに死亡が確認されたとされる。
韓国の北斗七星法律事務所の林斗炫(イム・ドゥヒョン)弁護士は同件について、「船長と船主に過度な飲酒を指せないなど乗組員の健康管理を怠ったことが論争になる可能性はあるが、海洋警察側は船に上がった後に現場を支配していたので、原則として主に海洋警察側に救助義務が発生していた可能性がある」との考えを示した。ただし、海洋警察側の業務過失致死の刑事責任を追及するにせよ、韓国政府に対する国家賠償訴訟を提起するにせよ、「因果関係についての医学と法律による証明」が最大の鍵になるという。
秦帥克さんが飲んでいたのは、白酒(バイジウ)と呼ばれる中国の伝統蒸留酒で、度数は42度だった。1本500グラム入りで、秦帥克さんは普段は1瓶の半分ぐらいしか飲まないが、その日は2瓶分程度を飲んだとの証言もある。ウイスキーならば700ミリリットル入り2瓶、日本酒ならば2升程度に相当するアルコールの量だ。(翻訳・編集/如月隼人)











