中国・広東省深セン市の火鍋店で、カップルがうっかり火鍋をひっくり返し、隣席の女性がやけどを負う事故があった。中国メディアの銭絵晩報が9日に伝えた。

記事によると、事故があったのは6月23日午後7時半ごろ。被害に遭った陳(チェン)さんが火鍋店で友人と食事をしていたところ、突然背後で音がしてカセットコンロや鍋が倒れ、熱々の鍋の中身が足にかかった。陳さんは「その時は本当に痛くて、何が起きたのか確認する余裕もなく、すぐに店の厨房で10分間冷水をかけ、その後病院へ向かった」と振り返った。

陳さんはふくらはぎや足首、足の指に重いやけどを負い、一時は歩くことができず、車椅子での移動を余儀なくされた。これまでにすでに4500元(約10万円)の治療費がかかっており、医師からは今後も治療や傷痕の修復に1~2年、費用は3万元(約71万円)ほどかかる見込みと伝えられたという。なお、一緒にいた友人も軽度のやけどを負った。

陳さんによると、事故当日、火鍋店の責任者は「損害はすべてこちらが負担する」と説明した。そのため、治療費や休業補償、慰謝料などを含む計4万5000元(約100万円)の賠償を店側に求めた。しかし店側はこれを受け入れず、「慰謝料と傷が治るまでの治療費は負担するが、その後の傷痕修復にかかる費用は負担しない」とした。話し合いがまとまらなかったため、陳さんは6月25日に警察へ届け出て、調停を通じた賠償交渉を求めた。

警察が現場の防犯カメラの映像を確認したところ、当時、鍋をひっくり返したカップルはキスをしており、男性が椅子から転げ落ちそうになってテーブルに手を突いたところ、テーブルが大きく傾いていた。警察に呼び出されたカップルの男性・林(リン)さんは陳さんに謝罪し、「故意ではなかった。

(彼女と)キスをしていたが、激しい動きをしたわけではなく、店の椅子が壊れたため転倒した。店の椅子はどれも古かった」と説明した。

一方で、火鍋店の責任者は「あのカップルは2時間座っていたが、その間、椅子に問題はなかった。椅子の品質に問題はなく、(おかしな力のかかり方をしたなど)特定の状況が重なったことで椅子が壊れた」と主張した。また、陳さんが求める賠償については「現在も対応中。警察の捜査では、当店が全面的な責任を負うという結論にはなっていない。先方が求めている賠償額は法的根拠が示されておらず、妥当ではないと考えている。法的手段を取るのであれば、裁判所が認めた金額は支払う」と説明した。

陳さんは、「店の椅子はプラスチック製で壊れやすく、テーブルも非常に軽い折りたたみ式だったため、客が転倒してテーブルを押し上げると簡単に持ち上がってしまうようになっていた。また、テーブル同士の間隔も狭く、事故当時は逃げる余地がほとんどなかった」とし、店の設備に安全上の問題があったと主張している。

この件について、江蘇潤商法律事務所の崔武(ツイ・ウー)弁護士は「陳さんは鑑定を申請し、椅子の破損が製品自体の欠陥によるものなのか、それとも林さんの動作によって生じ、あるいは悪化したものなのかを明らかにするべき」と提言。また、「たとえ椅子に欠陥があったとしても、それによって林さんの主たる責任が免除されるわけではない。

故意ではなかったとしても過失は認められる。一方で、テーブルや椅子の品質が著しく低かった場合には、林さんの責任が一定程度軽減される可能性もある」としたほか、店側にも安全確保義務を十分に果たしていなかった過失があると指摘した。(翻訳・編集/北田)

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