2026年7月21日、中国メディアの第一財経は「ドイツで世界初のガソリン自動車が誕生して140年がたった現在、中国の自動車メーカーがドイツへ電気自動車(EV)を投入し、欧州市場へ攻勢をかけている」と伝えた。

記事は、「BYDや奇瑞汽車、零跑汽車など10社以上の中国自動車ブランドがドイツ市場の進出を加速している。

ドイツ連邦自動車庁(KBA)のデータによると、中国ブランドの新規登録車シェアは24年の1.7%から26年上半期には3.8%へと上昇した。シェアはまだ5%未満ながら、過去2年間でドイツ市場における中国車シェアは倍増している。また、今年上半期のドイツにおけるバッテリー式電気自動車(BEV)の新規登録台数は前年同期比で48%増で、全新規登録台数の28.4%を占めた。プラグインハイブリッド車(PHEV)の登録台数は17.9%増加し、全体の10.9%を占めた。これら二つのカテゴリーを合わせると、全新規登録台数の40%近くに達する。対照的に内燃機関(ICE)車は依然としてドイツ市場の販売台数の60%を占めているものの、ガソリン車の新規登録台数は20%近く減少している」と紹介した。

その上で、「業界関係者の話では、欧州市場、とりわけドイツではフォルクスワーゲンや『BBA』の3社(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)のような、1世紀にわたる歴史を持つ多くの老舗ブランドに強い愛着を持つ消費者が多い点で、他の市場とは一線を画している。さらに充電インフラの整備や政策面の課題も残っている。中国EVのシェア拡大は長期戦になるとの見方が強い。ミュンヘン空港の周囲を見ても、見かけるタクシーはメルセデス・ベンツかトヨタしかいない。だが、地元のタクシー運転手の話では、中国ブランドの新エネルギー車の自家用車を街中で見かける機会が増えている」と述べた。

中国EVメーカーがガソリン車発祥の地ドイツへ進出、欧州市場に攻勢―中国メディア
ドイツ・ミュンヘン空港に掲出された小鵬汽車の広告

ドイツ連邦自動車の6月分のデータによると、ドイツにおける中国車の販売台数は急増している。

比較的認知度が高いBYDが前年同月比273.7%増の6259台で、初めて販売ランキングのトップ15入りを果たした。零跑汽車は2662台(366.2%増)、 小鵬汽車(Xpeng)は922台(284.2%増)を販売した。小鵬汽車は欧州市場全体では、6月だけで前年1年間の総販売台数に匹敵する約2000台を販売した。

記事によると、増加の理由として関係者からはブランドの認知度向上と、燃料価格に影響を及ぼす地政学的要因という二つの理由を指摘する声が出ている。統計によると、13日時点でのドイツのガソリン価格は1リットル当たり約2.33ユーロ(約433円)、電気の小売価格は1キロワット時当たり約0.35ユーロ(約65円)だった。例えば50リットルのガソリン車と60キロワット時のバッテリーを搭載するEVを比較すると、ガソリン車の給油には満タンまで約116.50ユーロ(約2万1646円)かかるのに対し、EVのフル充電には約21ユーロ(約3900円)で、5倍近い維持費の差を生んでいる。仏コンサル大手・キャップジェミニのピーター・フェンテル氏は「燃料価格の高騰が市場への扉を開いたきっかけになった」と指摘した。

記事は最後に今後の展望について「小鵬汽車は28年までに4000基以上のスーパーチャージャー(急速充電器)を設置し、欧州でのロボタクシー開発推進計画を立てている。BYDも約20億ユーロ(約3718億円)を投じて、3000基のスーパーチャージャーを設置する計画があるという。新エネルギー車の市場浸透が進む中で、自動車メーカー各社は次々に訪れる課題に直面している。例えばドイツや英国ではEV補助金政策が開始されたが、欧州市場において政策は、EVの発展を促進する一方で参入障壁を生み出す要因にもなり得る『諸刃の剣』でもある。特に欧州委員会による『産業加速法(IAA)』の法案が厄介だとする声が多い。

法案は現在も審議中であり最終決定には至っていないが、欧州市場への進出を目指す中国の自動車メーカーはその動向を注視している」と伝えた。(翻訳・編集/原邦之)

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