2026年7月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレ(DW)中国語版サイトは、米国防総省と豪ライナス社が結んだレアアース供給協定に対し、精錬拠点を抱えるマレーシアで抗議の動きが広がっていると報じた。

記事は、米国防総省が今年3月に豪鉱山会社ライナス(Lynas)と結んだ4年間のレアアース供給協定について、金額が9600万ドル(約156億円)に上ると紹介。

ライナスの主力精錬工場がマレーシア東海岸のグベンにあり、中国以外では最大規模の同種施設だと伝えた。

その上で、パレスチナ支持の強いマレーシアでは協定の報道後に抗議の動きが起きており、地元住民が協定をボイコットや、レアアースが兵器に使われない保証を求めていると指摘。50団体を超えるNGOがアンワル首相宛ての公開書簡で、この協定によりマレーシアがガザなどでの「国際法違反の疑いのある行為」に関与することになりかねないと主張したことも紹介した。

記事は、マレーシア産レアアースとイスラエルの兵器を直接結びつける根拠は薄く、レアアース市場を専門とするシンガポールのGinger国際貿易投資会社のトーマス・クリューマー氏が「マレーシアの抗議者の要求は、ゴムがイスラエルのガザでの車両に使われるかもしれないから米国への輸出を禁止しろと言うのに等しい」と発言したことに触れた。

また、同国内ではこの件がすでに政治問題化しており、議会委員会の公聴会を受けてアンワル政権はパレスチナ支持との整合性を検討した上で月末までに協定への公式な立場を表明する必要があると紹介。この状況についてクリューマー氏が「マレーシア人にとってこの件はレアアースというよりパレスチナの問題だ」と論じたことを伝えた。

記事はこのほか、「中国が軍事用途向けのレアアース輸出を停止したため、ライナスは現状で米国防総省にとって唯一の供給源となる」とするクリューマー氏の分析に言及した上で、マレーシアの活動家がグベン精錬工場を「テコ」に、米国の地政学的思惑に圧力をかけようとしているとも報じた。(編集・翻訳/川尻)

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