2026年7月24日、中国メディア・観察者網は、米国の自動車産業における「中国排除」政策が進む一方、技術ライセンス契約を通じて核心的技術を中国から導入せざるを得ないジレンマが浮き彫りになっていると報じた。

記事は、ロイターの報道として、米国が2025年に定めたコネクテッドカー規制により、中国が開発した車載ソフトウェアは27年モデルから、中国で製造または設計された車載ハードウェアは30年モデルから使用が禁じられると紹介。

自動車の開発は数年前から始まるため、メーカーはすでにサプライチェーンの見直しに入っており、米オハイオ州の通信モジュールメーカー、イーグル・ワイヤレスはこうした流れを受けて25年末に設立されたと伝えた。

その上で、中国サプライヤーの代替を掲げる同社が、市場参入にあたっては中国の通信モジュール企業・移遠通信(クエックテル)から技術供与を受けていた点に注目すべきだと指摘。同様の例としてフォード・モーターがミシガン州のリン酸鉄リチウム電池工場で採用した方式を挙げ、工場の投資と運営、従業員の雇用はフォードが担い、寧徳時代(CATL)が電池技術のライセンスと技術支援を提供する形になっていると説明した。

記事は、中国資本を直接受け入れず、中国製の製品も購入せずに、ライセンスを通じて中国企業が長年蓄積してきた産業能力を得るこの手法が、政策環境の厳格化を受けた米自動車産業の新たな選択肢になりつつあるとの見方を示した。

その一方で、中国が電動化とスマート化で築いた競争力が水の泡になる可能性はないのかと疑問を提起した。

そして、北京国樽法律事務所の弁護士の見解として、ライセンスは使用権の付与であって所有権の移転ではなく、被許諾側は契約で定めた範囲でしか技術を使えないと説明。ソースコードや製造ノウハウ、中核アルゴリズムは通常ライセンスの対象外だとした。

また、契約ではリバースエンジニアリングの禁止や改良技術の許諾側への帰属が定められるのが一般的で、被許諾側が自主開発に踏み切っても提携関係を失えば行き詰まる可能性があり、「技術ロックイン」の状態になっていると伝えた。

記事はこのほか、米戦略国際問題研究所(CSIS)のイラリア・マゾッコ上級研究員がロイターの取材に対し、こうした提携関係は最終的に中国への依存を深める結果になり得るとしつつ、競争が激しさを増す環境では米国が専門的な能力を得る唯一の道でもあり得ると述べたことを紹介している。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ