2026年8月5日、中国メディア・環球時報は、米国のシンクタンクが中国人留学生へのビザ発給減少を「米国の国家安全保障にとっての勝利」と主張する報告書を発表したことを批判する社説を掲載した。
記事は、米保守系シンクタンクCIS(移民研究センター)が3日に発表した報告書の中で、2025年5~8月に中国人らへの学生ビザ発給数が大幅に減少したことを「米国の学生と安全保障に多大な利益をもたらす」と歓迎し、中国人留学生を「スパイ」と見なす主張を繰り返したと紹介した。
そして、この報告に対し、留学生が安全保障を脅かすという具体的な証拠は提示されておらず、教育交流を政治的に武器化しているにすぎないと批判した。
また、ビザ発給の停滞はSNS審査や身元調査の厳格化といった米側の意図的な政治的介入の結果であり、特定の国を標的にした差別的な制限であると主張。こうした動きは、米国内のポピュリズム化や陣営化の反映であり、罪のない留学生を国内の政争の犠牲にしていると論じた。
記事はさらに、留学生の排除が米国経済にもたらす実害についても言及。留学生が年間約550億ドル(約8兆7000億円)の経済効果をもたらし、40万件以上の雇用を支えているというデータを示し、留学生の学費が大学運営や研究、奨学金の重要な財源となる中で入学者の減少はすでに巨額の経済損失を招いているとした。
このほか、米国の科学技術における優位性は、世界中の才能を惹きつける開放性によって維持されてきたとし、人材流動の遮断は米国のイノベーション能力を自ら削ぐ行為であり、教育交流を「脅威」と見なす冷戦思考は国家の活力を失わせるリスクがあると指摘した。
記事は、国家を強くするのは「壁による閉鎖」ではなく、世界を惹きつける「求心力」であるべきだと主張。留学生の減少を「勝利」と強弁する姿勢は、米国内の焦燥感を外部に転嫁しているだけであり、米国の自信の欠如を露呈していると結んだ。(編集・翻訳/川尻)











