中国メディアの環球時報はこのほど、中国の南アジアにおける電気自動車(EV)戦略について分析した米独立系国際ニュースメディア、ユーラシア・レビューの記事を紹介した。
記事は「アジアが中国製EVの最大の買い手となるという大きな流れの中で、南アジア諸国が重要な市場として台頭している」とし、「中国は、車両、バッテリー、充電インフラ、デジタルエコシステムの輸出を通じて南アジアの標準を着実に再構築している。
そして「中国が世界のEV産業を支配しているのは、30年にわたる国家主導の継続的な取り組みの結果だ」と指摘。「中国の自動車メーカーは世界中で主要なプレーヤーとして台頭している」と伝えた。
記事によると、中国は従来の自動車分野における欧米と日本の支配という歴史的パターンを打破しようとしている。EVは、中国が標準を設定し、サプライチェーンを形成し、長期的な技術的優位性を獲得できる領域であり、同時に石油輸入ショックへの脆弱(ぜいじゃく)性を軽減し、カーボンニュートラル目標を推進できる。中国は、主要鉱物の採掘、精製、加工、大規模なバッテリーおよび部品の製造、ソフトウエアおよび充電インフラにわたる高度に統合されたシステムを構築してきた。
記事は「南アジアは、中国のEV産業にとってますます魅力的な市場として浮上している」とし、欧米諸国が中国に高関税や非関税障壁を課しているのに対し、南アジア市場は拡大する消費者基盤、有利な投資環境、各国のグリーン移行政策との整合性を提供していると指摘した。
記事によると、中国製EVは価格競争力の高さでも際立っている。ネパールでは、手頃な価格設定により中国メーカーが新車EV販売の大半を占めている。 成熟した製造サプライチェーン、低い投入コスト、有利な融資条件により、中国は世界で最も低いバッテリー価格を提供できる。
記事はまた「政府間援助が拡大のもう一つの手段だ」とし、その例として、中国がスリランカに100台の電気バスを寄贈したことや同様の支援がネパールにも及んでいることを挙げ、「こうした援助は、中国製品の認知度と消費者の関心を高めるのに役立つ」と伝えた。記事によると、スリランカはこのほど、全国に充電ステーションを建設するための支援を中国に要請した。
記事によると、中国企業は南アジアで組み立て事業も展開している。BYDはパキスタンに工場を設立し、バングラデシュでも同様の状況が見られる。既にサプライチェーンや現地パートナーシップが確立されているため、中国企業にとって市場参入は容易だ。
記事は、南アジアに輸入された中国製EVの台数と金額の両方が2019年から25年にかけて大幅に増加したとし、中国から輸入される車両に占めるEVの割合はネパールでは約90%、ブータンでも約60%に上ると伝えた。スリランカでは輸入が大幅に増加し、パキスタン、モルディブ、バングラデシュでも緩やかながらも増加しているという。
記事によると、南アジアにおける中国製EVの普及は、単なる商業活動にとどまらず、より広範で戦略的な経済統合のパターンを反映している。中国はEVエコシステム全体を輸出し、これらの国々に資金、技術、クリーンな輸送ソリューションへのアクセスを提供することで影響力を拡大している。南アジア諸国にとって、手頃な価格の中国製EVは、気候変動対策への取り組み強化や化石燃料輸入への依存度低減の必要性と相まって、新たな選択肢をもたらしている。(翻訳・編集/柳川)











