2026年7月29日、中国メディアの環球時報は、中国の人工知能(AI)開発をどう評価すべきかを論じた英メディアの論説を紹介した。
記事が取り上げたのは、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)系の資産運用専門サイト「PWMnet」が7月27日に掲載した論説。
そして、AIの次の段階は実用的で経済的な実装に移るため、最終的な勝者は演算力を最も低い実コストで生産力に変えられる企業になるとの見方を示した。
その上で、類似の事例として4G移動通信の普及過程を挙げ、中国は当初の技術リーダーとは見られていなかったものの、導入を加速する過程でインフラ、国産アプリ、モバイル決済、EC、ハードウエアの生態系が結び付き、世界有数のデジタル経済を形成したと指摘した。
一方で、AIはなお萌芽期にあり、企業が生成AIを業務に組み込み始めたばかりで、身体を持つAIや自動運転、医療、財務の自動化が全面的に実装されるまでには時間がかかるとも説明。「問われるのはAIの時代が来たかどうかではなく、今後10年でどの生態系がAIを実際の生産力と収益力に変えられるか」だと述べた。
論説は、中国の半導体の生態系を支える需要としては、世界のAI関連の設備投資、国内の設備投資、そして最も戦略的な要素としてAI開発の自主自立性の3つを挙げ、米国の技術封鎖は先端半導体を手掛ける意欲を弱めるどころか強めたとしている。
また、中国が極端紫外線(EUV)露光や最先端の製造装置には依然として全面的にアクセスできないものの、競争の主戦場はすでにチップ単体からシステム全体に移りつつあり、チップ、メモリー、給電、放熱、ソフトウエアがどれだけ効率よく協調するかが重要になっていると解説。その典型的な例として、ファーウェイ(華為技術)が提唱する「τ(タウ)の法則」は、トランジスタの微細化だけではなく、システム全体の遅延低減に着目する考え方だと紹介した。
論説は、資本集約的で電力への依存が強く、地政学的にも敏感であるがゆえに、金融市場が中国のAI関連株に慎重な姿勢を示していることに触れ、「中国のAI開発は短距離走ではなくマラソンと捉えるべきであり、世界の投資家はその長期的な価値を過小評価している可能性がある」と結んだ。(編集・翻訳/川尻)











