2026年7月27日、中国メディア・観察者網は「『来年には脱中国産レアアース!』と米政府が数百億投資も、米企業『できません』」と題する記事を掲載。米政府が来年1月までの対中レアアース依存脱却を目指して規制を強化するも、米国内の供給能力不足や事業遅延により目標達成が極めて困難になっていると報じた。

記事は、米国内のレアアース磁石需要が年間約4万8000トンに達するのに対し、現在の国内供給能力はわずか約300トンと需要の1%未満にとどまっているという専門家の見解を紹介した。

そして、米国が「軍事品や重要製品に中国産のレアアースを使用してはならない」というルールを設けてきたものの、世界のレアアース精錬・加工能力の80%以上を中国が占める中で、供給不足を理由に企業に対して適用除外措置(ウェイバー)を与えてきた経緯があると伝えた。

また、米国内で進行中の主要なレアアース精錬・採掘プロジェクトの本格稼働は早くても2027年から28年以降になる見通しだと言及。「政府が設定した期限と企業側の生産開始スケジュールとの間に大きなタイムラグが生じている」と指摘した。

さらに、米政府が120億ドル(約1兆9000億円)規模の重要鉱物備蓄計画「プロジェクト・ボルト」を進めていることに触れる一方、適用除外措置が継続されることに対して米国内の鉱業企業から不満が漏れており、国内製品への直接注文など実質的な産業支援を求める声が高まっていると伝えた。

記事は、MPマテリアルズやリエレメント、USAレア・アース、ユーコアといった主要な新興精錬企業では、技術適用の難航に加え、政府による融資要件の審査停滞に見舞われているとも指摘。業界内では技術確立に向けた試行錯誤に伴い同業他社間での技術盗用訴訟も発生するなど、国内供給網の構築に向けた足元の混乱が続いているとした。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ