女児に性的暴行を加え妻を射殺した疑いが持たれている米国人の元警察官が、中国に21年間潜伏していたことが分かった。この容疑者は上海市内の有名大学で英語の外国人教師を務めていた。
上海浦東国際空港で23日、中国側の専従捜査班が、違法入国と違法滞在を理由に拘束した男の身柄を米国連邦保安局の職員に引き渡した。男は米国で殺人の容疑がかけられており、中国に21年間にわたり潜伏していた。
男は身柄を拘束されるまで、上海市内の有名大学である華東師範大学で英語教師を務めていた。背が高く体格が良く、機知に富んだ話しぶりで、学生たちは密かに男を「誰もがぞっこんになる外国人教師」と呼んでいた。
男は1972年に米サウスカロライナ州で生まれ、事件発生前には11年間にわたり警察官を務めていた。男は2004年、空手の個人コーチとしてある女性と知り合った。男は既婚だった。相手の女性は独身だったが、10歳の娘がいた。男はこの女性と交際するようになったが、相手女性の目を盗んでその娘に繰り返し性的暴行を加え、その他の虐待もした。女性は当初、交際相手の男の行為に気づかなかったが、同年暮れに気づき、地元の警察に通報した。
男は多額の保釈金を支払って釈放されて帰宅した。その際には、定められた日時に出廷すると誓約していた。しかし開廷の日に男は姿を現さなかった。警察は男を再び拘束するために男の自宅を訪れた。すると男の妻がベッドの上で死亡していた。法医学鑑定によると、男の妻は熟睡中に後頭部から至近距離で銃撃され、即死した。現場の物的証拠と隣人の目撃情報などの手がかりは、いずれも男の犯行であることを示唆していた。
男は犯行後に車を使って昼夜兼行で逃走したとみられた。警察は監視カメラの映像などをつかって車の行方を追った。しかし、米国とメキシコの国境地帯で乗り捨てられていた車を発見したものの、本人は姿を消していた。
米国当局は2005年、男を全国の指名手配の対象にして、2万5000ドル(約400万円)の懸賞金をかけて手がかりを募った。
男はメキシコに逃亡したが、その後は東南アジアの国々を転々とし、最後に偽造証明書を用いて中国に入国して上海で暮らした。男は警察官の経験があったために、捜査の裏をかく能力が極めて強かった。また、当時はインターネットでの情報伝播が現在よりもはるかに未発達だったこともあり、身分を隠して大学に英語教師として就職することにも成功した。
上海での日々は非常に体面を保ったものだった。男は容姿が優れ、話しぶりも適切で、学生に非常に人気があった。しかし私生活は、見た目のように「きれい」では全くなかった。男は頻繁に自分が勤める大学の女子学生を誘って外出した。また自分の担当クラスの女子学生を猛烈に口説いたこともあった。男は明確に拒絶されると、画像を絶えず送りつけて相手に嫌がらせをした。
このことが後になり、男にとっての「致命傷」になった。
2018年になり、かつて嫌がらせを受けた元女子学生は米国南カリフォルニア州に移住した。ある日、彼女がネットで指名手配犯のページを閲覧していた際、自分に嫌がらせをした教師の写真があることに気づいた。「一目で気づいた」という。
彼女はすぐに米国の警察とテレビ局に連絡し、在校時の情報と自分の実体験を一部始終話した。これらの手がかりはすぐに中国と米国の両国の警察に共有されることになった。上海の警察は直ちに捜査を開始し、極秘で内偵を行い、同年9月に男の身柄を確保した。
男は現在、米サウスカロライナ州内の刑務所に収監されている。
男に容疑が持たれている事件については、本格的な法廷審理の段階に入っていないため、具体的な詳細はまだ公表されていない。しかし、どのような判決が言い渡されるかについて、各界の注目が集まっている。(翻訳・編集/如月隼人)











