2026年8月3日、台湾メディア・中国時報は、日米が15年かけて進めたレアアースの脱中国依存が量とコストの両面で行き詰まっており、中国が握る優位は今も揺らいでいないとする評論記事を掲載した。
記事の筆者は、中米論壇社の代表を務める張文基(ジャン・ウェンジー)氏。
そして、日本はこれ以降、レアアースを国家の生存に関わる戦略資源と位置づけ、備蓄、海外鉱山への出資、リサイクルという3つの備えを進めてきたと指摘。備蓄については、2025年末時点で官民合わせて1万1000トンを超え、うち中核となる重希土類が2000トン余りに達し、通常の消費なら主要産業を半年強支えられると計算した。
一方、海外鉱山では、中国以外で最大の生産者である豪ライナスとの供給協定を26年3月に更新したものの、日本側の宣伝ほどの効果はないと分析。同社の25年のジスプロシウムとテルビウムの生産量は合計36トンにとどまり、24年に中国が日本へ輸出した重希土類の月14トンという規模に照らせば3カ月分にも満たないと論じた。
また、日本の800年分に相当する埋蔵量と伝えられる南鳥島沖の深海鉱床についても、張氏は商業化は10年以上先になり、採掘コストも中国産の20倍に上ることなどを理由として、冷ややかな見方をしている。
リサイクルに関しては、25年の回収量が軽希土類と重希土類を合わせて1200トンで、年間およそ2万トンに上る磁石の消費量の6%にも届かないと指摘。エアコン1台の解体にかかる人件費や物流費、環境処理費が約200中国元(約4800円)なのに対し、取り出せるレアアースの価値は50元(約1200円)に満たないとして、採算面の壁にも触れた。
張氏は、代替の手立てが乏しいのは同盟国と組んで供給網づくりや国内投資、技術開発を進める米国も同じであると指摘。象徴的なトピックとして、25年10月に中国がレアアースなどの輸出管理を強化すると翌日の米国市場では主要3指数がそろって下落し、さらにその翌日にはトランプ大統領と政権高官が対中合意への意欲を示した事例を挙げた。(編集・翻訳/川尻)











