2026年8月5日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)は、中国の研究チームがチベット高原に自生するユキノシタ属植物の食虫性を新たに発見したと報じた。
記事によると、食虫性が確認されたのはユキノシタ属の「サクシフラガ・カンデラブルム(Saxifraga candelabrum、中国名:灯架虎耳草)」。
中国科学院昆明植物研究所の孫航(スン・ハン)教授らが率いる研究チームがチベット高原から中国南西部の横断山脈にかけての高山地帯で実地調査を行ったところ、確認した45個体中43個体で昆虫を捕獲していたことが判明した。成熟した個体では、1株あたり平均71匹もの昆虫を捕らえていたという。
また、蛍光マーカーを用いた実験では消化酵素「ホスファターゼ」の活性が確認されたほか、安定同位体を用いた実験では昆虫由来の窒素が植物体内に吸収されていたことも実証され、この植物が単に虫を付着させているだけでなく、実際に「消化・吸収」を行っていることが科学的に証明された。
さらに、捕獲や消化を司る遺伝子が他の食虫植物と類似していることもゲノム解析によって明らかになり、異なる系統の生物が同様の機能を獲得する「収斂(しゅうれん)進化」の有力な裏付けが得られた。
研究チームは、窒素分が乏しいチベット高原の過酷な環境で生き抜くための生態学的戦略として食虫性が獲得されたとの見方を示している。
記事は、科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されたことを紹介するとともに、1875年にチャールズ・ダーウィンが「ユキノシタ属の粘着性腺毛を持つ種は食虫性の可能性がある」と推測していたものの確証が得られていなかったことにも言及。今回の発見が150年越しの仮説を実証するという大きな歴史的意義を持つことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)











