スマートフォンで「尋境敦煌」バーチャル・イマーシブ展を開く。ユーザーが画面に軽く触れると、一筋の「明かり」が暗い莫高窟第285窟をゆっくりと照らし出す。
第285窟は莫高窟初期の代表的な洞窟で、洞窟内の壁画には中国と西洋の文化が融合しており、飛天の姿はとりわけ優れている。1980年代、敦煌研究院はデジタル化への取り組みを開始した。その後、文化財保護とデジタル技術を徐々に融合させ、文化財の「永久保存、永続的な活用」を可能にした。
現在までに、敦煌研究院は323窟の高精度デジタルデータの収集、251窟の構造の3次元スキャン、227窟のパノラマバーチャルツアー制作を完了している。画面上に表示される壁画の鮮明さは、実際に現地で鑑賞する場合を上回るほどで、これまではしごを使って細部まで見なければならなかった部分も、今では一目で確認できる。
莫高窟では、「飛ぶ」ような感覚でこの代表的な洞窟を鑑賞することが、多くの観光客にとって特別な思い出となっている。敦煌研究院が提供している「尋境敦煌――デジタル敦煌イマーシブ展」では、仮想現実(VR)機器を利用することで、観光客が高精度の立体復元による第285窟の内部に「入り込み」、千年にわたる壁画を間近で鑑賞できる。さらに360度自由に洞窟の細部を探索したり、洞窟の天井を飛翔するような不思議な視点を体験したりすることもできる。
敦煌研究院文化発揚部の雷政広(レイ・ジョングアン)部長は、「デジタルスキャンや3次元再構築などの技術を通じて、研究チームは洞窟を1対1の高精細映像として復元することに成功した。さらに、楽しみながら操作できるインタラクティブな設計を組み合わせることで、見学体験を大幅に向上させている」と説明した。
「敦煌心箋」ミニプログラムを開くと、AIが飛天、九色鹿、蓮の花などの古典的なモチーフを動くイラストへと変換し、千年の歴史を持つシンボルに新たな表現を与えている。「デジタル蔵経洞」データベース・プラットフォームでは、人々が晩唐、北宋、清末などの歴史時代を「タイムトラベル」し、千年にわたる文化の流れを体感できる。また、AI技術を利用して古文をワンクリックで簡体字に変換し、現代語訳を生成したり、「AI要約」によって古文献の中核的な思想を抽出したりすることもできる。
「デジタル蔵経洞」データベース・プラットフォームでは、蔵経洞の文化財デジタル資料1万1090巻・点、画像7万2810枚を公開している。また、780万字余りのコンテンツ認識を完了し、データベースへのアクセス数は延べ25万人を超えた。利用者は33の国と地域から訪れている。
敦煌研究院のデジタル・スマート実験室が7月に始動した。同実験室は「デジタル敦煌」「敦煌学研究文献データベース」などのプラットフォームを基盤とし、AI、ビッグデータ、VRなどの技術を活用し、敦煌文化、敦煌学、海外に流出した文化財のデジタル復元などの分野で研究をさらに深化させる。(提供/人民網日本語版・編集/YF)











