ベトナム外務省は8月末、南シナ海の係争海域にある西沙諸島(パラセル諸島)で外国が行うあらゆる活動に強く反対すると表明した。ロイター通信が伝えた。

中国が同諸島の鴨公島(ヤゴン島)で新たな施設を建設しているとの報道に対応した。

西沙諸島は南シナ海の北西に位置する。ベトナムの東約240キロ、中国の海南島の南東約300キロにあり、50近いサンゴ礁の島と岩礁で構成されている。全てを中国が実効支配しているが、ベトナム、台湾(中華民国)も領有権を主張している。

2016年7月、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は大陸側からの「九段線」に囲まれた西沙諸島を含む南シナ海の地域について、中国が主張してきた歴史的権利を「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」と否定。中国側は仲裁裁の判断を「紙くず」と切り捨てた。

ロイター通信は8月下旬、衛星画像を基に、鴨公島で新たな施設が確認されたと報じた。安全保障アナリストらは早期警戒レーダー施設着工の可能性を指摘している。

ベトナム、南シナ海・西沙諸島での中国の施設建設中止求める―海外メディア
鴨公島

ベトナム外務省のファム・トゥー・ハン報道官はロイター通信への電子メールで「ベトナムはこれに断固反対しており、厳重な申し入れを行って、この問題に関する立場を明確に伝えた。活動を直ちに中止し、再発しないよう要求する」と述べた。

ハン氏はまた、「ベトナムは国際法に基づき西沙諸島に対する主権を主張するのに十分な歴史的証拠と法的根拠を有している」と強調。「鴨公島およびハイサム礁を含む西沙諸島でベトナムの許可なく行われる全ての外国の活動は完全に違法であり、無効であることを改めて主張する」と訴えた。

中国は1974年に当時の南ベトナム海軍から西沙諸島を奪取して以降、同諸島を実効支配している。南北ベトナムが統一後も返還しなかった。近年はさらに南に位置する南沙諸島(スプラトリー諸島)でも自国の軍事拠点網の拡張を進めている。

南沙諸島と周辺海域についてはベトナムのほか、フィリピン、マレーシア、台湾、ブルネイもその全部または一部の領有権を主張している。

西沙、南沙諸島そのものにほとんど価値はないが、中国が主張する領海や広大な排他的経済水域 (EEZ) 内において漁業など海洋資源が重視されているほか、軍事的要衝としての価値があるとされる。(編集/日向)

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