スペインサッカー界が“異例の支援”へ 女子代表選手の卵子凍結...の画像はこちら >>

女子スペイン代表のアレクシア・プテジャス photo/Getty Images

スペイン連盟が女子代表選手の卵子凍結を支援へ

スペインサッカー界が、女子選手の競技生活と母親になることの両立をめぐり、新たな取り組みに乗り出している。

スペインサッカー連盟(RFEF)は、女子代表選手を対象に卵子凍結を支援するため、専門の生殖医療クリニックとの協定締結を進めている。

詳細は9月中に発表される予定で、治療費を含む経済的な負担や対象となる選手、凍結した卵子の保存期間などについて現在調整が行われているという。

背景にあるのは、女子サッカー選手が抱える「キャリアと出産」の問題だ。トップレベルの選手生活は20代から30代半ばまで続く一方、女性の妊娠・出産に適した時期と重なる。代表選手として国際大会を戦い続けるほど、出産のタイミングを決めることが難しくなる。

この問題について、スペイン女子代表の中心選手であるアレクシア・プテジャスら代表チームの主将たちが連盟側に問題提起。プテリャスは今回の取り組みについて、選手が「国のためにプレイすることで、生物学的な時間との戦いになっている」との趣旨を説明し、制度化を歓迎している。

卵子凍結は、女性が若い時期に採取した卵子を保存し、将来的な妊娠の可能性を残すための手段。ただし、将来の妊娠を保証するものではない。治療にはホルモン投与や採卵などが必要で、一般的には約2週間を要する。専門家からは、アスリートに対する卵巣刺激が関節や軟部組織などに与える影響について、まだ十分な研究がないとの指摘も出ている。

一方で、この制度を手放しに歓迎する声ばかりではない。

スペインの陸上女子三段跳び選手で、母親として競技を続けているアナ・ペレテイロは、卵子凍結を支援するだけでは「女性のための制度」とはいえないとの立場を示している。
出産を希望する選手が競技を続けられるよう、産休中の契約保障や出産後の復帰支援、経済的なサポートを充実させることこそ重要だと主張した。

実際、スペイン女子1部の労使協約には妊娠や産後復帰に関する一定の規定が設けられているものの、卵巣・卵子の保存や生殖医療を直接支援する規定はまだない。

女子スポーツ界では、すでにチェルシーが生殖医療クリニックとの提携を発表するなど、選手の妊娠・出産をめぐる支援は広がりつつある。今回のスペインの取り組みも、単に「卵子を凍結する」という話ではなく、トップアスリートが競技を続けながら、将来母親になる選択肢をどう確保するかという女子スポーツ全体の課題を象徴する動きとなっている。

なお、現時点ではRFEFとクリニックの正式な契約内容や、連盟が具体的にどこまで費用を負担するのかは最終確定前。今月発表される詳細が注目されている。

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